女子テニス世界ランク２位の大坂なおみが『全仏オープンテニス』を棄権し、うつ病を公表したニュースは世界的に驚きを与え、アスリートからも様々な声が上がっている。

　テニス界では前代未聞とも言える騒動の発端となったのは、全仏オープンの開幕前だった５月27日に大坂が放ったメッセージだった。彼女は自身のSNSを通じて、試合後のメディアのあり方を以下のように露呈した。

「負けた選手をあのような場で問い詰めるのは、落ち込んでいる人を蹴落とすようなもの。アスリートのメンタルヘルスについてあまり考えていない」

　記者会見のボイコットを決断した大坂は、30日の１回戦に勝利するも会見は欠席。これで規定違反15000ドル（約165万円）の罰金が科せられ、さらには四大大会（全豪・全仏・ウインブルドン・全米）の出場停止の警告もされるほどに事態は発展に発展した。

　そして現地時間６月１日に、大坂は「2018年の全米オープン以来、長い間うつ病に悩まされてきて、それに対処するのに本当に苦労しました」と明言。今大会を棄権する決断を公にした。
  　うつ病の公表により、テニス関係者をはじめ世間の声は一転。記者会見ボイコットに否定的な声を挙げていた者も大坂に理解を示し始めている。その中でF1レーサーのルイス・ハミルトンは自身のツイッターで、「メンタルヘルスはジョークでは済まされない。これは現実的で深刻な問題なんだ。かなりの勇気が必要なこと。ナオミは一人ではないことを皆で教えてあげよう」と協力を仰いだ。

　続けて、「今日は良い日だ。友人や愛する人にどの様に過ごしているかを確認し、一人ではないことを知らせよう」と呼び掛けた。

　ハミルトンが言うようにメンタルヘルスは深刻な問題だ。「しばらくはコートから離れる」という大坂は、いまは自身の問題に向き合う時なのかもしれない。

構成●THE DIGEST編集部

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