海外テニス

「ケガをしたと嘘をついてる!」トムヤノビッチとオスタペンコがウインブルドンで“舌戦” 「あなたの振る舞いはひどすぎ」<SMASH>

中村光佑

2021.07.05

トムヤノビッチ(左)はオスタペンコ(右)がファイナルで劣勢の時にトレーナーを呼んだことに納得がいかず…。(C)Getty Images

 現地時間7月3日、テニスの四大大会であるウインブルドン(6月28日~7月11日/イギリス:ロンドン/グラスコート)は、女子シングルス3回戦が行なわれ、世界75位のアイラ・トムヤノビッチ(オーストラリア)が同34位のエレナ・オスタペンコ(ラトビア)を4-6、6-4、6-2の逆転で下した。

 トムヤノビッチが同大会初のベスト16入りを果たした一戦は、試合後に繰り広げられた両者の舌戦が物議を醸している。

 第2セットを奪い返し、1セットオールとしたトムヤノビッチは迎えたファイナルセットでも4-0とリードを広げ、勝利まであと2ゲームと迫っていた。ここでオスタペンコが腹部の痛みを訴え、トレーナーをコートに呼んだのだ。

 これに納得がいかなかったのが、トムヤノビッチだ。主審に「彼女はケガをしたと嘘をついてる!」と主張し、「あんなに元気だったことを考慮しているの? みんなわかってるはずよ。1時間半もの間、彼女は何の問題もなかったのに、突然ケガをしたなんてありえない」と続けた。

 治療によるおよそ10分間の中断を強いられたものの、結果的にこの試合はトムヤノビッチの勝利に終わり、両者はネット際で握手を交わした。その際にオスタペンコはトムヤノビッチに「もし私が(ケガをしたと)嘘をついていると言うのなら、私のトレーナーと話をすればいいじゃない。あなたの振る舞いはひどすぎる。リスペクトのかけらもないわ」とまくし立てた。

 これに対してトムヤノビッチは「あなたがそんなことを言う立場にはないわ」と応戦しつつ、最後には「まあケガが治るといいわね」と冷たくあしらった。
 
 怒りの収まらないオスタペンコは試合後に行なわれた記者会見で「彼女は、私のケガの状態など全く知らないはずだから、とても失礼なことを言っていると思う」とトムヤノビッチを痛烈に批判。さらに「第1セットの後、私のレベルは良くなかったと思うけど、もし、私が少なくとも50%の状態でプレーしていたら、彼女に勝てていたと思う」とも続けた。

 一方のトムヤノビッチは「私の行動が失礼だなんて笑える」と特に意に介していない様子だったが、「彼女は、ケガをしたと言うことはできるけど、私にはそうは思わなかった。試合中、彼女には何の問題もなかったはずなのに、なぜ0-4のところでトレーナーを呼ぶ必要があるのか」と劣勢の場面で治療を受けたオスタペンコに疑問を呈した。

 この試合を観戦していたテニスライターのベン・ローテンバーグ氏は自身の公式ツイッターでトムヤノビッチとオスタペンコの口論を動画で公開。これを見たテニスファンからは賛否の声が続々と上がっていたが、何とも後味の悪い結末となってしまった。今後も幾度となく対戦する機会が訪れることも予想されるため、これ以上2人の関係性が悪化しないよう祈るばかりだ。

 なお、勝利したトムヤノビッチは4回戦で世界338位のエマ・ラドゥカヌ(イギリス)と対戦する。

文●中村光佑

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【動画】テニスライターのベン・ローテンバーグ氏が公開した試合後の口論の様子