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海外テニス

「キャリアの中で最も完成度が高い」ウインブルドンに優勝したジョコビッチが自身の成長を実感。東京五輪出場については…<SMASH>

中村光佑

2021.07.12

グランドスラム20回目の優勝を果たし歴史に名前を刻んだジョコビッチ。(C)Getty Images

グランドスラム20回目の優勝を果たし歴史に名前を刻んだジョコビッチ。(C)Getty Images

 テニスの四大大会「ウインブルドン」(6月28日~7月11日/イギリス:ロンドン/グラスコート)は現地7月11日に男子シングルス決勝を実施。第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア/1位)が第7シードのマッテオ・ベレッティーニ(イタリア/9位)を6-7、6-4、6-4、6-3で下し、ウインブルドン3連覇、大会6度目の優勝を成し遂げた。

 今大会はここまで失セット数をわずか1に抑え、順当に決勝へ駒を進めたジョコビッチ。ロジャー・フェデラー(スイス)とラファエル・ナダル(スペイン)が持つグランドスラム優勝20回に王手をかけていただけに、テニスファン注目の一戦となった。

 サービングフォーザセットを迎えながらもタイブレークで第1セットを落としたジョコビッチだったが、第2セット以降はミスの少ない安定感のあるプレーを披露。試合を通して計6度のブレークに成功し、ベレッティーニの挑戦を退けた。

 ついにフェデラーとナダルの偉大な記録に並んだジョコビッチ。試合終了後に行なわれた記者会見では「僕は全ての面でより良いプレーヤーになっている。精神的な強さ、経験、大事な時にプレッシャーへ対処する力やピンチに強い選手になる力もついた。今はプレーヤーとして、キャリアの中で最も完成度が高いと感じている」と語り、自身でも成長を実感しているという。

 また、「どのグランドスラムでも、どのサーフェスでも勝つチャンスがあると思っていた。僕は自分の能力を知っているから、常にグランドスラムで最高のテニスができると信じてきた」と大会開幕前から自信に満ちあふれていたようだ。
 
 会見の最後には「自分が年をとったとか、そういうことは感じない。もちろん、状況は少しずつ異なっているけど、自分のキャリアの中で、段階に応じて調整し、適応していかなければならない」と今後も更なる高みを目指すことへ意欲を示した。

 ジョコビッチは今季、全豪オープン、全仏オープンにも優勝しており、残る東京オリンピックと全米オープンも制した場合、男子選手として史上初の「ゴールデンスラム」の偉業を達成することになる。

 そんな中、今夏の東京オリンピックは新型コロナウイルス感染拡大の影響により無観客での開催が決定。これを受けてジョコビッチは「観客がいないのは本当に残念なことだ。東京には行くつもりだったけど、今は(気持ちとしては)五分五分かな」と欠場の可能性も示唆している。今後の動向に注目が集まりそうだが、まずは優勝の余韻にも浸りながら、ゆっくりと身体を休めてもらいたいところだ。

 一方、男女を通じてイタリア勢初のウインブルドン優勝を逃したベレッティーニは「今日のような経験が必要なんだ。次の大会に臨む上でもきっと役に立つと思う」といたって前向きに捉えているようだ。悔しさをバネに、次なる9月の全米オープンでは頂点に立つ姿を見せてほしい。

文●中村光佑

【PHOTO】テニス史上に残る名プレーヤー!ノバク・ジョコビッチの厳選ショットをお届け!
 
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