6月に行なわれた全仏オープンで女子テニスの大坂なおみが記者会見ボイコットを宣言し、2018年の全米オープン優勝後から心の病を抱えていたことを明かした。それ以来、スポーツ界における重要なテーマとして国内外で様々なメディアが取り上げているアスリートのメンタルヘルス。
現在開催中の東京オリンピックでもアメリカ体操界のスターとして知られる24歳のシモーン・バイルズが複数の種目で金メダル獲得を期待されていた中、「心のストレスを感じていて、一歩引いてみようと思った」として、7月28日の女子団体決勝を棄権した。
さらに、バイルズは7月28日に行なわれた個人総合も欠場。イギリスのニュース番組で司会を務めるピアース・モーガン氏や若手保守活動家のチャーリー・カーク氏などから厳しい批判が浴びせられる事態にも発展した一方で、多くのアスリートがこのバイルズの決断を公に支持した。
そんな中、全仏オープンテニス敗退後、故障とメンタルの疲労のためにツアーを離れていた世界ランク3位のラファエル・ナダル(スペイン)が、男子テニスツアーの「シティー・オープン」(8月2日~8日/アメリカ:ワシントンDC/ハードコート/ATP500)で復帰。大会前のインタビューに応じ、アスリートのメンタルヘルスに言及した。
心の不調から複数種目で棄権を表明したバイルズについて「彼女の決断を100%尊重する。ずっと夢のために戦ってきた人は、準備ができていない時もあると思う」と理解を示した。
また、ナダルは「シモーネはキャリアを通じて素晴らしい業績を残してきたし、きっとまたベストな状態に戻ってくれると思う」とバイルズへ期待の言葉を送りながらも、「でも、もし彼女が今、準備ができていない、あるいは出場できないと感じているのであれば、なぜ出場しなければならないのか」と、批判の声が上がっていることに対して疑問を呈した。
どんな競技でもアスリートが本番でベストパフォーマンスを発揮するためには、心の状態が整っていることが必須条件の一つになる。ナダル自身も以前には「テニスでは精神的に安定していることはとても重要だと思う」と語っていただけに、バイルズの気持ちに寄り添える部分があったのかもしれない。
心の不調を訴える選手が多くなってきている事態を考慮すれば、アスリート自身のメンタルコントロールに委ねるだけではなく、周囲からも充実したサポートが行なわれるべきだろう。
文●中村光佑
【PHOTO】全仏オープン2021で活躍した男子選手たちの厳選PHOTOを一挙公開!
現在開催中の東京オリンピックでもアメリカ体操界のスターとして知られる24歳のシモーン・バイルズが複数の種目で金メダル獲得を期待されていた中、「心のストレスを感じていて、一歩引いてみようと思った」として、7月28日の女子団体決勝を棄権した。
さらに、バイルズは7月28日に行なわれた個人総合も欠場。イギリスのニュース番組で司会を務めるピアース・モーガン氏や若手保守活動家のチャーリー・カーク氏などから厳しい批判が浴びせられる事態にも発展した一方で、多くのアスリートがこのバイルズの決断を公に支持した。
そんな中、全仏オープンテニス敗退後、故障とメンタルの疲労のためにツアーを離れていた世界ランク3位のラファエル・ナダル(スペイン)が、男子テニスツアーの「シティー・オープン」(8月2日~8日/アメリカ:ワシントンDC/ハードコート/ATP500)で復帰。大会前のインタビューに応じ、アスリートのメンタルヘルスに言及した。
心の不調から複数種目で棄権を表明したバイルズについて「彼女の決断を100%尊重する。ずっと夢のために戦ってきた人は、準備ができていない時もあると思う」と理解を示した。
また、ナダルは「シモーネはキャリアを通じて素晴らしい業績を残してきたし、きっとまたベストな状態に戻ってくれると思う」とバイルズへ期待の言葉を送りながらも、「でも、もし彼女が今、準備ができていない、あるいは出場できないと感じているのであれば、なぜ出場しなければならないのか」と、批判の声が上がっていることに対して疑問を呈した。
どんな競技でもアスリートが本番でベストパフォーマンスを発揮するためには、心の状態が整っていることが必須条件の一つになる。ナダル自身も以前には「テニスでは精神的に安定していることはとても重要だと思う」と語っていただけに、バイルズの気持ちに寄り添える部分があったのかもしれない。
心の不調を訴える選手が多くなってきている事態を考慮すれば、アスリート自身のメンタルコントロールに委ねるだけではなく、周囲からも充実したサポートが行なわれるべきだろう。
文●中村光佑
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