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「おかしなことはしていない」トイレ休憩中の“コーチング疑惑”についてチチパスが弁解。「ルールを曲げた」と主審への非難も<SMASH>

スマッシュ編集部

2021.08.24

真相は定かではないが、ひとまず携帯電話をベンチに置いていくことが疑惑解消のための手段のひとつになりそうだ。(C)Getty Images

 男子テニスツアー「ウェスタン&サザン・オープン」(アメリカ:シンシナティ/8月15日~22日/ハード/ATP1000)の準決勝で物議を醸したコーチング疑惑について、当事者のステファノス・チチパス(ギリシャ)が弁解した。

 事の発端は、現地8月21日に行なわれたシングルス準決勝での、チチパスとアレクサンダー・ズべレフ(ドイツ)の一戦。第1セットをズベレフに奪われたチチパスは、荷物一式を手にトイレットブレークを取ったのだが、これを見たズベレフが主審に猛抗議した。

 ズベレフは、チチパスが荷物を必要以上に持ってコートを出ており、例えば携帯電話などの電子機器を使って、休憩中にルールに抵触するコーチングを受けているのではないかと主張。さらに、彼がほぼすべてのトーナメントで同様の行為に及んでいると、審判に向かってまくし立てた。

 また、チチパスがトイレットブレークに行っている間、会場のモニターにはチチパスの父親でコーチのアポストロス氏が、スマートフォンで熱心にメッセージを打ち込んでいるような姿が映し出され、チチパスにはさらなる疑惑がもたれた。
 
 試合はフルセットの末にズベレフが勝利したが、チチパスは後の会見でこの一件について「なにもおかしなことはしていない」と弁解。「自分は他の人より汗っかきなんだ」としつつ、「ただ着替えるためにロッカールームに向かった。コートでみんなの前でパンツを履き替えるのは得策とは言えないだろう。だからロッカールームに行きたいんだ」とコメントした。

 また、チチパスは第2セット終了後にもトイレットブレークを取ろうとしたが、これは主審に止められていた。これについても「自分の知っている限りは、選手はセット前にトイレに行けるはずだ」と主張し、「審判が自分の気分でルールを変えたんだ」と主審を非難している。

 これにより、「理想的な形で第3セットを戦えなかった」とするチチパス。続けて「私たちはたくさん汗をかいて、ベストを尽くしているのにその努力が正当に評価されていない。非常に残念だよ」と悔しそうに語った。

構成●スマッシュ編集部
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【動画】審判に猛抗議するズべレフと、熱心にスマートフォンを操作するアポストロス氏