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海外テニス

「屈辱的なことを言われた」クレイチコワがムグルサに公然と反論。治療の正否を巡って火花<SMASH>

中村光佑

2021.09.09

ムグルサとの試合中、トレーナーの診断を受けるクレイチコワ。この後のメディカルアタイムアウトを巡って、双方が主張をぶつけ合っている。(C)Getty Images

ムグルサとの試合中、トレーナーの診断を受けるクレイチコワ。この後のメディカルアタイムアウトを巡って、双方が主張をぶつけ合っている。(C)Getty Images

 現地9月5日に行なわれた全米オープンテニスの女子シングルス4回戦で、対戦相手のガルビネ・ムグルサ(スペイン/世界ランク10位)からメディカルタイムアウトについて痛烈に批判されたバルボラ・クレイチコワ(チェコ/9位)。続く8日の準々決勝でアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ/2位)に敗れたクレイチコワは、試合後の記者会見で一連の騒動に言及し、ムグルサに反論した。

 ムグルサはクレイチコワとの4回戦で第1セットを落とし、第2セットでも4ゲームを連取されるなど苦しい展開に。そこから驚異の粘りを見せたムグルサは6-5と逆転したが、第11ゲーム終了時にクレイチコワが取ったメディカルタイムアウトが、控え室への行き来も含め6分余りに及んだためにリズムを崩し、タイブレークではミスを連発した。

 ベスト8入りを逃したムグルサは長めの中断を強いられたことに怒りが収まらず、クレイチコワと握手を交わす際に「とてもプロフェッショナルとは言えない」と非難。その後の記者会見でもクレイチコワに対し「まあ、選手同士なら、特定の瞬間にどう振る舞うべきか少しはわかっていると思うけど……そうね、試合の終わりにはあまり満足できなかったわ」と不満をあらわにしていた。
 
 クレイチコワはこれらのムグルサの言葉に納得がいかなかったようで、「私は何が起こっているのかをよく理解するために、試合の最後を少しだけ見たけど、まさかこんなふうに非難されるとは思わなかった」とコメント。「グランドスラムのチャンピオンに屈辱的なことを言われたと感じた。今までに見たことのない光景だったわ」と続けた。

 そして、試合の流れを引き戻すためにムグルサから体調不良を装ったと疑われたメディカルタイムアウトについても、正当な理由で要求したと強調した。

「(4回戦が終わった後)コートを出てからロッカールームにたどり着くまでに1時間もかかってしまったので、(こんなに批判されて)悲しい。私はとてもひどい状態だった。ケイレンも伴っていたし、あんなことは今までになかった。誰も知らない、誰も見たことがないようなことが後ろで起きていた」

 今年の全米オープンではステファノス・チチパス(ギリシャ)の長いトイレットブレークが物議を醸しており、いつも以上にセット間やゲーム間における各選手の時間の使い方に注目が集まっている。何はともあれ、この一件からクレイチコワとムグルサの関係が険悪化しないことを祈りたい。

文●中村光佑

【PHOTO】クレイチコワ、ムグルサら全米オープン2021で活躍した女子選手たち
 
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