中国共産党最高指導部メンバーの一員であった75歳の張高麗（チャン・カオリー）前副首相から性的暴行を受けていたと告発した、女子ダブルス元世界ランキング１位のペン・シューアイ（中国）。その彼女は現在行方不明となっており、テニス界でも心配の声が相次いでいる。

　現地11月15日に行なわれた男子テニスツアー最終戦「Nitto ATPファイナルズ」のラウンドロビン（予選）初戦を勝利で飾った世界王者のノバク・ジョコビッチ（セルビア）は、試合後の記者会見で一連の騒動に言及。初めに「それについては詳しくは知らない」としつつも、「彼女が行方不明になっているのは衝撃的なことで、ここ数年トーナメントをともにしてきた人だけになおさらだ」とコメント。

　続けて「彼女が見つかり、元気になってくれることを願っている。ひどい状況で、彼女の家族が今どのように感じているか想像できる」と締めくくった。
  　また、女子テニス世界13位の大坂なおみも日本時間11月17日の午前６時30分ごろに自身の公式ツイッター（@naomiosaka）を更新。「WhereIsPengShuai（ペン・シューアイはどこ）」のハッシュタグと共に以下のようなコメントを投稿した。

「このニュースが知れ渡っているのかどうかは定かではないですが、ペンが性的暴行を受けていたと告白してから間もなく行方不明になったと聞きました。検閲なんてどんなことがあってもダメなものです。私はペンとペンの家族が無事であることを祈ります。今回の件についてはショックを受けていますが、私はペンに愛と光を送ります」

　告発直後に消息不明となった背景から、すでにペンの身に危険が迫っている可能性も取り沙汰されている。一刻も早く消息が明らかになることを祈りたい。

文●中村光佑

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