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海外テニス

「奇跡を起こしてコートでお別れをしたい」と願うフェデラーに「彼はそれに値する」と宿敵ジョコビッチがエール!<SMASH>

中村光佑

2021.11.18

来年6月開幕のウインブルドンで復帰を考えるフェデラー(左)にライバルのジョコビッチ(左)がエールを送った。(C)Getty Images

来年6月開幕のウインブルドンで復帰を考えるフェデラー(左)にライバルのジョコビッチ(左)がエールを送った。(C)Getty Images

 男子テニスツアー最終戦「Nitto ATPファイナルズ」(11月14日~21日/イタリア:トリノ/インドアハードコート)で同大会10度目の準決勝進出を果たした世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)。試合後の記者会見では右ヒザのケガで長らく戦列を離れている宿命のライバル、ロジャー・フェデラー(スイス/16位)にエールを送った。

 2020年に2度の右ヒザ手術を経て、今年3月のカタール・オープンで約14か月ぶりにカムバックを果たしたフェデラー。だが、グラスコートシーズンでケガが再発し、今年7月のウインブルドン準々決勝で敗退した直後に再手術を決行。以降の出場を予定していた大会は全て取りやめ、日本時間8月15日に自身のSNSで「何か月もツアーから離れる」と発表していた。

 最近のインタビューでは「最悪の事態は過ぎ去った」と順調な回復ぶりをアピールしていたフェデラーだが、ツアー復帰への道のりは、いまだ非常に厳しいものだという。母国スイスのスポーツメディア『Tages-Angeizer』の取材に応じた40歳のレジェンドは、「来年1月の全豪出場は選択肢にはない。来夏のウインブルドンでプレーできることになったらそれもそれで驚くべきことだ」と発言してもいる。

 それでも完全復活への熱意を失ってはいないようだ。最後には「もう一度グランドスラム決勝の舞台に戻ってくることが僕の究極の夢なんだ。そして実際に、僕はまだそのような奇跡を信じている」と熱い想いを口にし、「僕はコートの上でお別れをしたいんだ」と締めくくった。
 
 そんなフェデラーの言葉に応えるかのように、ジョコビッチは記者会見で「僕たちのスポーツ(テニス)のために、彼(フェデラー)のプレーを少なくとももう一度見られることを心より願っている。彼はこんな形でキャリアを終えたくないと思っているだろう。彼は間違いなく最後の一押し、最後の挑戦をしようとしていると思う」とコメント。

 また、「このスポーツのために達成し、創造してきた全てのことを考えれば、ロジャーはコート上でしかるべき形でお別れをするに値する選手だ。ロジャーは我々のスポーツの象徴であり、世界中の人々が彼を愛しているんだ」と、ともにテニス界を牽引してきたフェデラーを称賛した。

 ジョコビッチの言葉通り、フェデラーはテニス界において「なくてはならない存在」と言っても過言ではない。おそらく大多数のテニスファンがまだまだあの芸術的なパフォーマンスを楽しみたいと思っているはずだ。ぜひともフェデラーにはいつまでも元気にプレーする姿を見せてもらいたい。

文●中村光佑

【PHOTO】今年のウインブルドンで活躍したフェデラーたち男子選手の迫力プレー集
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