海外テニス

予防接種済みのロシア選手が全豪オープン出場不可に。ロシア製ワクチンが認められず無念の欠場<SMASH>

中村光佑

2021.12.23

未承認のロシア製ワクチンを接種していたため、全豪オープン出場が認められなかったビクトリアンセワ。(C)Getty Images

 新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的として、出場する選手に2度のワクチン接種を義務付けている来年1月開催の全豪オープン。ところが女子テニス世界ランク194位のナタリア・ビクトリアンセワ(ロシア)はワクチン接種を完了したにもかかわらず、2022年大会の欠場を余儀なくされることとなった。

 日夜テニスの情報を発信している「UBITENNIS」によると、現在オーストラリア国内ではファイザー、アストラゼネカ、モデルナ、ヤンセンの4社のワクチンが正式に承認されており、オーストラリアへの入国においてはシノバック、COVIDシールド(インド血清研究所)、シノファーム(中国)、バラットバイオテックのワクチンも認められている。

 だが、ビクトリアンセワが接種したのは「スプートニクV」と呼ばれるロシア製のワクチンで、オーストラリア当局はこれを承認していないため、彼女は入国を許可されないのだという。つまり必然的に全豪への出場も諦めざるを得なくなるということだ。
 
 これを受けてビクトリアンセワは自身のツイッター(@NVikhlyantseva)を更新し、「残念ながら、私は今年の全豪オープンに参加しません。ここ数大会で自分が見せたテニスのレベルには本当に満足していますし、全豪に出場したいのですが、スプートニク(のワクチン)はまだ承認されていないのです」と報告。

 そして最後には出場する選手と大会スタッフへ向けて「全ての参加者と、いつも素晴らしいイベントを作ってくれるAO(全豪)運営チームの皆さん、頑張ってください!」とエールを送った。

 ちなみに世界ランキングで54位をマークした経験を持つ24歳のビクトリアンセワは過去に3度全豪本戦に出場しており、2017年大会の1回戦ではグランドスラム初出場初勝利を挙げた。彼女にとって全豪は思い出の舞台でもあっただけに、今回は非常に残念な形での出場辞退となってしまったが、この悔しさをバネに来季の活躍を期待したいところだ。

文●中村光佑
 
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【画像】全豪出場不可について綴ったビクトリアンセワのツイッター画面