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国内テニス

日本人の国民性である「真面目さ」が悪影響を及ぼさないように。望月慎太郎のウインブルドンJr優勝秘話【山中夏雄コーチ】<SMASH>

山中夏雄

2022.01.05

ウインブルドンジュニアに優勝した望月慎太郎(右)と山中コーチ(左)。この後チャンピオンズディナーへ。写真提供:山中夏雄

ウインブルドンジュニアに優勝した望月慎太郎(右)と山中コーチ(左)。この後チャンピオンズディナーへ。写真提供:山中夏雄

 錦織圭のアメリカ留学をサポートした盛田正明テニスファンド(MMTF)のコーチとして、アメリカのIMGアカデミーに常駐し、日本のジュニアたちの成長を支えている山中夏雄氏。今回は日本のトッププロたちが、いかにして成長してきたのか、日米テニス界の違いなどを訊いた。今年プロに転向した望月慎太郎が2019年に、日本人として初めて16歳でウインブルドンジュニアに優勝するために、山中氏が勝負に出た行動とは――。

―――◆―――◆―――

 2019年のスタート時点では(望月)慎太郎のランキングは高くはありませんでした。フレンチオープンジュニア本戦には入れていたので、その前に5週間の大会スケジュールを組みました。

 この遠征では、競るのに負けることが多く、慎太郎は結果が出ていないと思っていたようです。これは傾向として日本ジュニアに良く見受けられるものです。日本ジュニアは真面目で練習にも真剣に取り組んでいますが、試合で競ると緊張しすぎて負けてしまう。自分を信じきれないところがあるんです。

 海外の選手は「試合が一番大事」という考えがあり、練習で多少手を抜くことがあっても、試合の勝敗を左右する場面では、何が何でもそのポイントを取ろうとします。「ミスしない」「攻めるぞ」という気持ちがプレーに表れます。
 
「試合が一番大事」という気持ちを慎太郎に持たせる必要があると感じました。そこで大会中は練習をせず、ダブルスでもいいから、勝ち残ってトーナメントに居続ける大切さを伝えました。そうしてフレンチオープンジュニアでベスト4に入れたのは大きかったです。

 ウインブルドンの前哨戦は2大会に出場。1週目に優勝し、2週目は3回戦負けでした。1週目で優勝しているので十分に良い状況なのですが、ここでも慎太郎は「3回戦で負けたからウインブルドンは頑張ろう」と思っていました。

 日本の国民性として、いい意味で「真面目さ」が挙げられますが、その反面、頭も心も力を抜くのが難しい時があります。だからこそ、周りが意図的に力を抜かせることです。やるべきことをやってきているなら、試合で全ての力を発揮できるためにはどうするべきかを指導者は考えるべきだと私は思います。
 
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