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海外テニス

【伊達公子】2年目のジンクスを乗り越えられるか?全米女王ラドゥカヌら若手選手に注目!<SMASH>

伊達公子

2022.01.07

シフィオンテクはうまく階段を上っていると感じている伊達公子さん。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

シフィオンテクはうまく階段を上っていると感じている伊達公子さん。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

 明けましておめでとうございます。新シーズンが始まりました。今回は2022年に注目したい選手を取り上げます。

 最注目は2021年全米女王のエマ・ラドゥカヌです。最近の女子テニス界の傾向で、一気にブレークした選手やグランドスラムに優勝した次の年は、みんな苦労します。2年目のジンクスですね。ラドゥカヌは19歳と若く、勢いがあります。だからこそ、全米オープンに優勝した次の年がどうなるのか、注目です。

 ラドゥカヌは今の年齢としては大きな弱点があるわけではなく、万遍なく何でもできます。なので、技術より精神的な部分が影響してくると思います。勢いがある時はいいですが、周りの選手に研究された時に、ペースを崩さずに勝ち切れるテニスを維持できるかです。ただ彼女は勝ちに対するハングリーさや勝負強いところがある気がするので、2年目のジンクスを越えてくるかもしれません。

 現在は19位ですが、トップ10に入っていくには、ツアーでもある程度結果を出していく必要があります。メディアに割く時間も多くなってきますし、オンコートとオフコートのバランスをうまく取る必要があります。

 ラドゥカヌは元世界1位のアンジェリーク・ケルバーのコーチだった、トーベン・ベルツ氏と契約しました。テニスに向かう姿勢を維持できるかは、コーチを含むチームの体制も影響してくるでしょう。
 
 19歳で2000年全仏オープンに優勝した後、うまく階段を上っていると思うのが、イガ・シフィオンテクです。グランドスラムでは2つ目のタイトルには少し届いていませんが2021年はツアーで2大会に優勝しています。

 グランドスラムでもう1度優勝すると、注目度が上がりすぎてしまいますが、そこまで目立つことなくコンスタントに結果を出して、気付いたら9位にいます。注目度では大坂なおみ選手の方が大きいですが、年末のランキングではシフィオンテクが上に来ています。テニス界で何が成功かは人それぞれですが、安定してトップ10に居続けることは簡単ではないだけに彼女はその点で順調と言えるわけです。

 2022年はシフィオンテクにはもう1度グランドスラムのタイトルを取ってほしいですね。ドロー運や体調にもよりますが、可能性はあると思います。

 2021年全米オープンは女子決勝が10代対決になり注目を浴びましたし、実際に試合も面白かった。2022年も女子テニスがその勢いを持続してほしいというのが一番の想いです。

文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン

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