海外テニス

ダニエル太郎、全豪オープンで世界10位シナーに敗れるも海外メディアが称賛!「自分の可能性を超えたショットを打ち込んだ」<SMASH>

中村光佑

2022.01.23

予選からの勝ち上がりで本戦に出場し、2回戦では元世界王者を倒したダニエル。3回戦でシナー(写真右)に屈したがその戦いぶりを海外メディアが称えている。(C)Getty Images

 現在開催中のテニス四大大会「全豪オープン」(1月17日~30日/オーストラリア・メルボルン/ハードコート/グランドスラム)では、大会6日目を迎えた現地1月21日に男子シングルス3回戦が行なわれ、予選勝者のダニエル太郎(世界ランク120位)が登場。イタリアテニス界注目の20歳ヤニック・シナー(同10位)に4-6、6-1、3-6、1-6で敗れ、自身初のグランドスラムベスト16進出を逃した。

 第1セットのダニエルは立ち上がりから3ゲームを連取される苦しい展開。第4・第6ゲームでブレークバックを奪って追いつくも、第7ゲームで再びブレークを許し、第1セットを落とす。それでも第2セットではダニエルがラリー戦で積極的に攻撃を仕掛けて主導権を握り、シナーに1ゲームしか与えない完璧なプレーを披露してセットオールとする。

 だが、徐々に疲労の色が見え始めるダニエルは我慢のテニスを見せながらも第8ゲームでブレークを献上して第3セットを失うと、第4セットでは怒涛の攻めを見せるシナーに3度のブレークを喫し、2時間41分で力尽きた。

 敗れはしたものの、世界10位を相手に互角の勝負を演じたダニエルに海外メディアからも惜しみない賛辞が贈られている。

 シナーの母国であるイタリアのスポーツ専門メディア『Sportface』は、「シナーがダニエルに苦戦するも勝利し、ベスト16に進出」と報じた一方で、拮抗した第1セットを引き合いに「ダニエルはリードした時だけでなく、守り切らなければいけない局面でも、常にベースラインから自信を持ってプレーをしていた」と称賛。

 また、同メディアはダニエルがセットオールに持ち込んだ第2セットについて「イタリア人がいつものパフォーマンスを発揮できていないことをダニエルは理解し、自分の可能性を超えたショットを打ち込んだ」と評した。
 
 さらにスペインのテニス専門メディア『Punto de Break』は、「ここ数日、ダニエル太郎が2022年の全豪オープンで大躍進を遂げるという話題で持ちきりだった。この日本人プレーヤーは28歳にして、突然アジア太平洋地域のグランドスラムで羽ばたいたようだ。失うものは何もない中でコートに出て、迷いもなくヤニック・シナーと1対1の勝負に徹し、それを証明したのだ」と称えている。

 残念ながら16強入りを逃してしまったが、2回戦では元世界王者のアンディ・マリー(イギリス/現113位)をストレートで撃破するなど、今大会の注目の的となったことは間違いない。まだまだ始まったばかりの2022年シーズン、ダニエルの更なる活躍を期待したいところだ。

文●中村光佑

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【動画】ダニエル太郎と世界10位シナーによる全豪オープン3回戦の激闘ハイライト