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国際テニス連盟がロシアにおけるトーナメントの無期限キャンセルを発表。安全のためウクライナの大会も延期に<SMASH>

スマッシュ編集部

2022.02.27

2月13日に行なわれた女子のWTAツアー、サンクトペテルブルク大会の表彰式の模様。ついこの間まで普通にツアーが開催されていたが…。(C)Getty Images

 ウクライナに対するロシアの軍事侵攻がスポーツ界に大きな波紋を広げているが、テニスツアーにも影響が出てきている。現地時間2月25日にITF(国際テニス連盟)は声明を発表。予定されているITFワールドツアー(※いわゆる下部ツアー)のうち、ウクライナ大会を延期し、ロシア大会をキャンセルすると決めた。

 以下はその声明文。

「私たちの最優先事項は、テニスプレーヤーとITFの大会に参加する全ての人々の安全を守ることです。ITFは、安全上の懸念が高まったため、今年4月にウクライナで開催予定のITFワールドテニスツアーM15を延期し、ロシアで開催される全てのITFイベントを無期限でキャンセルすることにしました」

「私たちは、この状況を注意深く見守り、継続的に検討していくつもりです。今後の対応については、徹底したリスク評価と、セキュリティの専門家や関係当局から受ける助言に基づいて決定されます」
 
 ITFのカレンダーでは4月18日~24日の日程でウクライナ・ビシュコボでのM15大会(男子の賞金総額15,000ドル大会)が組まれていたが、これが延期となった。5月に予定されているウクライナでの2大会については、現時点で変更のインフォメーションは出ていない。

 なお、男子のATPツアーは2月23日に今シーズン後半のスケジュールを発表。それによると10月に「クレムリン・カップ」(10月17日~23日/ロシア・モスクワ/インドアハードコート/ATP250)が予定されているが、これはロシアのウクライナ侵攻直前に発表されたもので、今後何らかの変更があることも予想される。

 女子のWTAツアーは、現時点で8月までの大会予定しか発表されておらず、その中にはロシアの大会は含まれていない。2月のサンクトペテルブルク大会はすでに終了している。

 いずれにせよ、今後の情勢次第で少なからず大会の延期や中止、開催地変更などの影響が出てくるだろう。コロナに続き、テニスツアーは深刻な状況に直面し続けている。

構成●スマッシュ編集部

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