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海外テニス

フェデラーのコーチが明かした完全復帰への道のり。ウインブルドンでは「不可能と言わないが想像がつかない」<SMASH>

中村光佑

2022.03.04

昨年のウインブルドン後に手術を決行したフェデラー(写真右)だが、コーチのリュティ(左)は今夏の完全復活は難しいと考えているようだ。(C)Getty Images

昨年のウインブルドン後に手術を決行したフェデラー(写真右)だが、コーチのリュティ(左)は今夏の完全復活は難しいと考えているようだ。(C)Getty Images

 男子テニス元世界王者のロジャー・フェデラー(スイス/現27位)のコーチを務めるセベリン・リュティ氏がドイツ紙『Tages Anzeiger』のインタビューに応じ、長らく右ヒザのケガで戦線離脱を強いられているフェデラーの現状について語った。

 四大大会で20度の優勝を誇るフェデラーは2度の右ヒザ手術を経て、昨年3月のカタール・オープンで約14か月ぶりにツアーに復帰。同年5月の全仏オープンではベスト16、7月のウインブルドンでは苦しみながらもベスト8へ進出し、着実に完全復活への歩みを進めているかのように見えた。

 だが、ウインブルドンの準々決勝敗退直後に「右ヒザのケガが再発してしまった」として3度目の手術を決行。その後、自身のSNSを通じて「何か月もツアーから離れることになる」と表明し、現在も大会には出場していない。これにより今年1月末に発表された世界ランキングで約21年ぶりにトップ20圏外へ陥落し、現在も27位(2月28日付)となっている。

 今回のインタビューでリュティ氏は、苦境に立たされている40歳の現況について「ロジャーはまだリハビリの段階にいる。彼は常にもっとできることがないかと積極的に動いている」と明かし、これからフェデラーがどのような流れでリハビリを進めていくのか、次のように簡潔に説明した。

「ヒザや足の筋肉を鍛えるだけでなく、身体全体を強化する。本当の意味でのコンディショニングプログラムだ」
 
 フェデラーと言えば「芝の帝王」の異名を持ち、中でもウインブルドンは過去8度の優勝経験を持つ最も得意とする舞台だ。だが、ルティ氏は右ヒザの状態を踏まえた上で、現段階ではフェデラーが今年6月末に開かれるウインブルドンに戻れるかどうかは不透明だという。

「今のところ彼がウインブルドンでどうプレーすべきかについてはわからないよ。私は不可能だとは言わないが、想像がつかないんだ」

 その上でルティ氏は「彼にとって重要なのは、時間をかけて復帰していくことだ」と語り、何よりもフェデラーが100%の状態でツアーに戻ることを最優先事項に掲げていると強調した。

 今年8月には41歳を迎えるフェデラー。厳しい状況が続いていることは間違いないのだろうが、再びあの芸術的で美しいプレーが見られることを多くのテニスファンが待ち望んでいるはずだ。まずはツアー復帰へ向け、右ヒザのリハビリが順調に進むことを祈りたい。

文●中村光佑

【PHOTO】フェデラー他、ウインブルドン2021で活躍した男子選手たちの厳選フォト
 

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