事態悪化の一途をたどるロシアのウクライナ侵攻。停戦の先行きが見えず、長期化の様相を呈するなか、15歳の妹・イバンナとともに国外避難を余儀なくされた女子テニスのダヤナ・ヤストレムスカ（ウクライナ／世界ランク103位）が、ツアーで目覚ましい活躍を見せた。

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　本格的な軍事攻撃が始まった24日、ヤストレムスカは家族とオデッサの自宅にいた。その朝に爆撃の音で目を覚まし、それから地下駐車場で２晩過ごすと、26日に国外へ脱出。調整不足のままリヨン・オープン（フランス・リヨン／WTA250）を迎えたが、格上相手に勝ち星を重ね、準優勝を飾ったのだ。

　決勝後のセレモニーでは「本当に厳しい１週間だった」と振り返り、「今週は自分のためだけでなく、国のためにもプレーした」と涙ながらにコメント。「ここで稼いだ賞金はウクライナの基金に寄付するつもりだ」と明かし、その後も母国へ次のようにメッセージを送っている。
 
「もしウクライナの人たちが見ていたら、あなたたちはとても強い、素晴らしいスピリットを持っていると伝えたい。私もウクライナのために戦っている。ウクライナを支持してくれるすべての人たちに感謝したい」

　一方、ツアー３勝目を手にしたジャンは、ヤストレムスカを祝福したうえで、「大変な時だと思うけど、あなたがファイターなことは知っている」と称賛。「ここ３～４年間で急激に成長し、信じられないようなテニスをしてきた。今後も多くのトーナメントで優勝するだろう」と予測している。

　大会後の公式Twitterでも「愛するウクライナのためにどうしても勝ちたかった！今週は全力を尽くした！」と綴ったヤストレムスカ。寄付を宣言した今大会の獲得賞金は、１万4545ユーロ（約182万円）となった。

構成●THE DIGEST編集部

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