11月9日(日本時間)にイタリア・ミラノにて行なわれたネクストジェンファイナルズ。21歳以下の若き選手がぶつかり合う大会で優勝杯を手にしたのは、イタリア出身の18歳、ヤニック・シナーだった。
ワイルドカード(主催者推薦枠)で出場枠を獲得し、ラウンドロビンを2勝1敗で準決勝へ勝ち上がったシナーは、セルビアのミオミール・ケツマノビッチに1セットダウンから逆転勝ち。決勝では、優勝の最有力候補であり、ラウンドロビンでも3勝したオーストラリアのアレックス・デミノーと対戦し、4-2、4-1、4-2のストレートで優勝を飾った。
イタリアのサン・カンディドで生まれたシナーは、多くのイタリア人と同じく、フットボールとスキーに熱中する少年だった。テニスをプレーするのは週に2回程度だったシナー少年の才能を見出したのは、リカルド・ピアッティコーチだ。
ジョコビッチやガスケといった男子ツアーの第一線で活躍する選手のコーチとして有名なピアッティは、シナーをひと目見ただけで彼の可能性を見抜いた。13歳の時に、ピアッティのテニスアカデミーに拠点を移したシナーは、そこからテニスに集中し、大きな進化を遂げる。
2018年にプロ転向してからは、ジュニアの大会よりも、ツアーに多く出場。その理由を「自分よりも優れた選手と戦いたいから」と語る。7月からはハードコートの試合が多いアメリカを拠点とし、ATPポイントを順調に獲得しながら、力を伸ばして来た。
プロ2年目の2019年シーズンを551位で発進したシナーは、2月にATPチャレンジャーツアーで初優勝すると、8月には2勝目を収める。10月にはベルギーのATP250で準決勝に進出し、ランキングを93位に推し上げた。トップ100の中で最年少となった18歳は、ワイルドカード枠によりネクストジェンファイナルズの出場資格を得て、持ち前の攻撃的なテニスで優勝まで一気に駆け上がった。
これらのランキング急上昇を受け、2020年シーズンはグランドスラム大会へのダイレクトインも可能だ。
この優勝に、「自分のプレーを貫くことと、エラーをしないことだけを心掛けた。エラーが多くなかったから、自分のプレーに満足している」と語っているシナー。
21世紀生まれの新星の活躍は、来年さらに増えていくことになるだろう。
文●誉田優
フリーライター。早稲田大学スポーツ科学部卒業。
Twitter:yu__honda/Instagram:yu__honda
ワイルドカード(主催者推薦枠)で出場枠を獲得し、ラウンドロビンを2勝1敗で準決勝へ勝ち上がったシナーは、セルビアのミオミール・ケツマノビッチに1セットダウンから逆転勝ち。決勝では、優勝の最有力候補であり、ラウンドロビンでも3勝したオーストラリアのアレックス・デミノーと対戦し、4-2、4-1、4-2のストレートで優勝を飾った。
イタリアのサン・カンディドで生まれたシナーは、多くのイタリア人と同じく、フットボールとスキーに熱中する少年だった。テニスをプレーするのは週に2回程度だったシナー少年の才能を見出したのは、リカルド・ピアッティコーチだ。
ジョコビッチやガスケといった男子ツアーの第一線で活躍する選手のコーチとして有名なピアッティは、シナーをひと目見ただけで彼の可能性を見抜いた。13歳の時に、ピアッティのテニスアカデミーに拠点を移したシナーは、そこからテニスに集中し、大きな進化を遂げる。
2018年にプロ転向してからは、ジュニアの大会よりも、ツアーに多く出場。その理由を「自分よりも優れた選手と戦いたいから」と語る。7月からはハードコートの試合が多いアメリカを拠点とし、ATPポイントを順調に獲得しながら、力を伸ばして来た。
プロ2年目の2019年シーズンを551位で発進したシナーは、2月にATPチャレンジャーツアーで初優勝すると、8月には2勝目を収める。10月にはベルギーのATP250で準決勝に進出し、ランキングを93位に推し上げた。トップ100の中で最年少となった18歳は、ワイルドカード枠によりネクストジェンファイナルズの出場資格を得て、持ち前の攻撃的なテニスで優勝まで一気に駆け上がった。
これらのランキング急上昇を受け、2020年シーズンはグランドスラム大会へのダイレクトインも可能だ。
この優勝に、「自分のプレーを貫くことと、エラーをしないことだけを心掛けた。エラーが多くなかったから、自分のプレーに満足している」と語っているシナー。
21世紀生まれの新星の活躍は、来年さらに増えていくことになるだろう。
文●誉田優
フリーライター。早稲田大学スポーツ科学部卒業。
Twitter:yu__honda/Instagram:yu__honda