現在開催中の男子テニスツアー「BNPパリバ・オープン」(3月10日~20日/アメリカ・インディアンウェルズ/ハードコート/ATP1000)は現地3月19日にシングルス準決勝を実施。第4シードのラファエル・ナダル(スペイン/世界ランク4位)が第19シードのカルロス・アルカラス(スペイン/同19位)を6-4、4-6、6-3のフルセットで下し、同大会9年ぶり5度目となる決勝進出を果たした。
今季は1月の全豪オープンで優勝を飾り、さらには開幕から19連勝と絶好調のナダル。今大会は初戦から厳しい戦いを強いられながらも、持ち前の逆境での底力を発揮し、何とかベスト4へと駒を進めていた。
そんな35歳のレジェンドが準決勝で迎え撃つのは、同胞で未来のナンバーワン候補として期待される18歳のアルカラス。ナダルとアルカラスは昨年5月のマドリード・オープン以来2度目の顔合わせで、この時はナダルがストレートでアルカラスを下していた。
テニスファンも大注目のスペイン勢対決となったこの試合は、序盤からナダルがアルカラスの力強いショットに押され、第1ゲームでいきなりブレークを献上。それでもナダルは徐々にリズムをつかみ、第4、第6ゲームでブレークに成功。第10ゲームでは3度目のブレークを奪って第1セットを先取する。
第2セットに入ると強風が吹き荒れる難しいコンディションの中で、抜群のコートカバーリングを見せるアルカラスに3度のブレークを喫してセットオールに。ファイナルセットでは互いにサービスキープが続く展開となるも、最後までネットプレーを軸とする積極的な攻めを見せたナダルが3時間12分でアルカラスを振り切った。
大激戦の末に連勝記録を20に伸ばしたナダルは、試合後のインタビューでインディアンウェルズ4度目の優勝に王手を掛けたことについて、「決勝に進出できて、とてもうれしいよ。僕にとって意味のある勝利でもあるし、この調子を維持していきたい」と喜びを表現。
続けて「風が少しやんだ時、アグレッシブにプレーする必要があると思った。そうしないとカルロスがショットを狙ってきて、彼が主導権を握ってしまう。そこでもっと攻撃的にプレーすることを心掛けるようにして、それがうまくいった」と勝因を分析した。
そして最後には初のマスターズ準決勝の大舞台で18歳らしからぬ驚異的なパフォーマンスを見せたアルカラスへ、ナダルらしい称賛の言葉を贈った。
「彼はもうこれから活躍する若い選手ではない。彼はすでにトッププレーヤーだから、世界最高のプレーヤーの1人と対戦するのと同じように扱ったんだ。彼が若いかどうかは関係なく、素晴らしい男で素晴らしいプレーヤーでもあり、素晴らしい未来がある。僕はそのように考え、ただコート上で自分のベストを尽くし、全てのチャレンジを受け入れるようにしたんだ」
そのナダルは決勝で第20シードのテイラー・フリッツ(アメリカ/20位)と対戦する。フリッツはマスターズ1000でキャリア初の決勝進出。ぜひとも両者には見応えのある試合を期待したい。
文●中村光佑
【連続写真】ヒジ主導でテイクバックしてパワーを生み出す、ナダルのフォアハンド
今季は1月の全豪オープンで優勝を飾り、さらには開幕から19連勝と絶好調のナダル。今大会は初戦から厳しい戦いを強いられながらも、持ち前の逆境での底力を発揮し、何とかベスト4へと駒を進めていた。
そんな35歳のレジェンドが準決勝で迎え撃つのは、同胞で未来のナンバーワン候補として期待される18歳のアルカラス。ナダルとアルカラスは昨年5月のマドリード・オープン以来2度目の顔合わせで、この時はナダルがストレートでアルカラスを下していた。
テニスファンも大注目のスペイン勢対決となったこの試合は、序盤からナダルがアルカラスの力強いショットに押され、第1ゲームでいきなりブレークを献上。それでもナダルは徐々にリズムをつかみ、第4、第6ゲームでブレークに成功。第10ゲームでは3度目のブレークを奪って第1セットを先取する。
第2セットに入ると強風が吹き荒れる難しいコンディションの中で、抜群のコートカバーリングを見せるアルカラスに3度のブレークを喫してセットオールに。ファイナルセットでは互いにサービスキープが続く展開となるも、最後までネットプレーを軸とする積極的な攻めを見せたナダルが3時間12分でアルカラスを振り切った。
大激戦の末に連勝記録を20に伸ばしたナダルは、試合後のインタビューでインディアンウェルズ4度目の優勝に王手を掛けたことについて、「決勝に進出できて、とてもうれしいよ。僕にとって意味のある勝利でもあるし、この調子を維持していきたい」と喜びを表現。
続けて「風が少しやんだ時、アグレッシブにプレーする必要があると思った。そうしないとカルロスがショットを狙ってきて、彼が主導権を握ってしまう。そこでもっと攻撃的にプレーすることを心掛けるようにして、それがうまくいった」と勝因を分析した。
そして最後には初のマスターズ準決勝の大舞台で18歳らしからぬ驚異的なパフォーマンスを見せたアルカラスへ、ナダルらしい称賛の言葉を贈った。
「彼はもうこれから活躍する若い選手ではない。彼はすでにトッププレーヤーだから、世界最高のプレーヤーの1人と対戦するのと同じように扱ったんだ。彼が若いかどうかは関係なく、素晴らしい男で素晴らしいプレーヤーでもあり、素晴らしい未来がある。僕はそのように考え、ただコート上で自分のベストを尽くし、全てのチャレンジを受け入れるようにしたんだ」
そのナダルは決勝で第20シードのテイラー・フリッツ(アメリカ/20位)と対戦する。フリッツはマスターズ1000でキャリア初の決勝進出。ぜひとも両者には見応えのある試合を期待したい。
文●中村光佑
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