海外テニス

ウクライナの元世界3位スビトリーナがツアーからの離脱を表明!「身体がもう耐えられません」<SMASH>

スマッシュ編集部

2022.03.31

薄っすらと涙を浮かべながらマイアミのコートを去るスビトリーナは試合後、肉体的な障害を理由に戦線からの一時離脱を表明した(C)Getty Images

 ロシアによる母国ウクライナへの侵攻に抗議しながらも、女子テニスツアーを戦い続けてきた元世界3位のエリーナ・スビトリーナ(現20位)が、選手活動の一時停止を発表した。

 ツアーからの離脱を決意したのは、現在開催中の「マイアミ・オープン」(アメリカ・マイアミ)で、ヘザー・ワトソン(115位/イギリス)に逆転負けを喫した後だ。「BNPパリバ・オープン」(アメリカ・インディアンウェルズ)に続き2大会連続で初戦敗退となったスビトリーナは、自身のSNSを通じて次のように思いを記した。

「この数か月間は精神的にも肉体的にも非常に辛い時期でした。私は長い間、背中の痛みに悩まされていて、そのせいで大会にはベストな状態で臨むことができませんでした」

 ロシアによるウクライナ侵攻も影響し、心身ともに疲弊していた。自身の心境を赤裸々にまとめた彼女はさらに「母国で起きていることは、耐えがたい痛みでもありましたが、そうした中でウクライナの人々が勇敢に国を守っている姿が、私の背中を押し続け、コートに立つための原動力になっていました」とした。
 
 まさに満身創痍の状態だったスビトリーナ。今後はビリー・ジーン・キング・カップ(女子国別対抗戦)とヨーロッパ・ツアーを欠場するとしたが、「きっとまたすぐにお会いできると思います。この困難な時期に応援してくれた皆さん、ありがとうございました」と希望を捨てず、その先を見据えた。

 軍の予備役に登録してラケットを銃に持ち替え、首都キエフのパトロールに従事する元男子13位のアレクサンドル・ドルゴポロフ氏や元31位のセルゲイ・スタコフスキ氏。母国防衛のために立ち上がるアスリートが少なくない状況下で、自身のプレーする姿を通じて反戦をアピールし続けたスビトリーナ。彼女の姿をコートに見られはしないが、彼女がコート上に残してきた熱い思いは消えはしない。

構成●スマッシュ編集部

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