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海外テニス

ウインブルドン出場危機にあるロシアの世界2位メドベージェフ「今は大会を1つずつこなしていこうと思っている」<SMASH>

中村光佑

2022.03.26

世界的にロシア人選手排除の動きが高まる中で、果たしてメドベージェフはコートに立ち続けることができるのか。(C)Getty Images

世界的にロシア人選手排除の動きが高まる中で、果たしてメドベージェフはコートに立ち続けることができるのか。(C)Getty Images

 現在開催中の男子テニスツアー「マイアミ・オープン」(3月23日~4月3日/アメリカ・マイアミ/ハードコート/ATP1000)に出場する世界ランク2位のダニール・メドベージェフ(ロシア)が3月24日の記者会見に出席。その中で今年6月末に開催予定のウインブルドン(イギリス・ロンドン)でロシア選手の出場が認められない可能性が浮上していることについて、具体的な回答を避けた。

 事態が悪化の一途をたどっているロシアのウクライナ侵攻を受け、スポーツ界ではロシア人選手に対して制裁を課す動きが加速している。ところがテニス界では各統括団体が国名と国旗の使用を認めない代わりに、国際大会でのロシア人選手個人の締め出しは行なわない意向を示している。

 そんな中、イギリスのスポーツ担当大臣を務めるナイジェル・ハドルストン氏は現地3月15日に行なわれた「デジタル・文化・メディア・スポーツ特別委員会」の公聴会で英国内でのスポーツイベントにおけるロシア人選手の参加について「絶対に誰もロシアの旗を揚げることは許されないし、許可されるべきではない」と発言。そして「プーチンの支持者ではないことが保証されない限り、ウインブルドンでのロシア選手の出場は禁止されるかもしれない」とした。
 
 以前はスポーツ界でのロシア選手の締め出しについて「そうならないことを祈る」と話していたメドベージェフだが、今回の記者会見では「ウインブルドンの件については特に答えることはない」とコメント。その上で「次に何が起こるかを見ていく必要がある。今は大会を1つずつこなしていこうと思っている。大会の出場については、常に異なるルールや規定が存在するからだ」と述べるにとどめた。

 その一方でメドベージェフは、自国をめぐる世界情勢によって困難な状況に立たされる中でも大会に出場できることに感謝の気持ちを抱いているようだ。

「どの国も自分たちのルールを決めることができるんだ。もしかしたら明日誰かが、『もうテニストーナメントはいらない』と発表するかもしれない。人生とはそういうものだ」

「今僕はマイアミにいる。大好きなテニスができることは幸せだ。このスポーツを世界中に広めていきたいと思っている。タフな瞬間もあれば、良い瞬間もあるだろう。それは、どの大会でも同じことだと思う」

 なお、今大会に第1シードとして出場するメドベージェフは初戦となる2回戦で元世界王者のアンディ・マリー(イギリス/現85位)と現地26日(日本時間27日)に対戦する。テニスファンも大注目の一戦となりそうだ。

文●中村光佑

【連続写真】メドベージェフの余分な動きがない安定感抜群のバックハンド!

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