海外テニス

元世界7位のゴファンがケガを乗り越え6タイトル目を獲得「クレーシーズンへの自信を与えてくれる」<SMASH>

中村光佑

2022.04.11

2021年は左足首やヒザの故障に悩まされていたゴファンが復活の兆し。(C)Getty Images

 男子テニスツアー「ハッサン2世グランプリ」(4月4日~10日/モロッコ:マラケシュ/クレーコート/ATP250)は現地4月10日にシングルス決勝を実施。世界ランク74位のダビド・ゴファン(ベルギー)が同65位のアレックス・モルカン(スロバキア)を3-6、6-3、6-3の逆転で下し、自身6度目となるツアー優勝を果たした。

 今大会にノーシードで出場した元世界7位のゴファンは2回戦でパブロ・アンドゥハル(スペイン/73位)を逆転で破り、節目のツアー通算300勝を達成。その後も苦しい戦いを強いられながらなんとか勝ち上がり、準決勝ではフェデリコ・コリア(アルゼンチン/60位)にストレートで快勝した。

 決勝戦の相手モルカンとは、今年1月のメルボルン大会2回戦で1度対戦しており、この時はゴファンがストレート負けを喫していた。

 2度目の顔合わせとなった今回は、リベンジを狙うゴファンがストローク戦で簡単なミスを犯す場面が目立ち、第2、4ゲームでブレークを献上してセットダウン。

 それでも第2セットに入るとゴファンが徐々にリズムをつかみ、第3ゲームから5ゲームを連取してセットオールとする。迎えたファイナルセットでは2度のブレークに成功し、1時間58分で勝利を収めた。
 
「今大会は2度ほど第1セットを落とした試合があったんだ。今日もそうだった。彼(モルカン)はいいプレーをしていて、第1セットは彼の方が良かったけど、第2セットでは僕がより良いサービスを打てて、よりアグレッシブなプレーをすることができたよ」

「第3セットではさらに良いプレーができたので、(第1ゲームで)ブレークに成功したのと、良い形でマッチポイントを迎えられたことにとても満足している。サービスゲームではなく、ブレークで試合を終わらせたかったんだ」

 そう満足気に決勝戦を振り返ったゴファンのツアー優勝は昨年2月のモンペリエ大会以来約1年2カ月ぶりのことで、ランキングも74位から47位にアップした。

「ここで6度目のタイトルを獲得できたことはとても幸せで、クレーシーズンへの自信を与えてくれる」とゴファン。昨シーズンから悩まされてきたヒザのケガの影響から今季もなかなか思うような成績を残せていなかっただけに、今回の優勝を喜んでいるようだ。

 優勝の喜びも冷めやらぬ中、現地4月10日に開幕した「モンテカルロ・オープン」(4月10日~17日/モナコ・モンテカルロ/ATP1000/クレーコート)でクレーシーズン初戦を迎える彼は1回戦で予選勝者のイリ・レヘチュカ(チェコ/98位)と対戦する。連戦の疲労が心配されるところだが、このままの勢いでモンテカルロでも勝ちを積み重ねてほしいものだ。

文●中村光佑

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