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引退した前世界女王バーティーの次なる仕事は子供向けの絵本作家!?「とても楽しくてずっとやりたかったこと」<SMASH>

中村光佑

2022.04.13

バーティーが描こうとしている絵本は6部作にわたる本格的なシリーズ。引退後、新たなやりがいを見つけている。(C)Getty Images

 衝撃の引退発表からおよそ3週間、テニスの前世界女王アシュリー・バーティー(オーストラリア)のセカンドライフが間もなく始まりを告げるようだ。

 今年1月に地元選手として44年ぶりとなる全豪オープン制覇を成し遂げ、グランドスラムで3度の優勝を誇るバーティー。多彩なプレーで数々の強敵を翻弄し、多くのファンを魅了してきた。

 ところが彼女は3月23日に更新した自身のSNSで「このスポーツが私に与えてくれたもの全てに感謝し、誇りと充実感を抱いてキャリアを終えます。これからは他の夢を追っていきたいと思います」として、25歳の若さで突如引退を発表。現役選手からも悲しみの声が多く上がった。

 過去にクリケット選手としても活躍したバーティーはゴルフでもプロ顔負けの腕前を持っていることで知られ、引退発表直後に出場した母国オーストラリアのゴルフ大会では優勝を飾った。その後、海外メディアやテニスファンの間では「またクリケットの世界に戻るかもしれない」「ゴルフ選手として新たな人生を歩むのではないか」などと様々な憶測が広まっていた。
 
 だがどうやらバーティーの第2の人生はスポーツとは関係のないものであるようだ。このほど米ニュースメディア『News Corp』の独占インタビューに応じた元世界女王は「Little Ash(リトルアッシュ)」と題した子供向けの絵本を執筆すると公表。バーティー自身のテニス人生や家族との経験をテーマに、6部作にもわたるシリーズ本として出版される予定だという。

 またインタビューの中で「この絵本のプロジェクトはとても楽しくて、ずっとやりたかったことでもあるの」と明かしたバーティーは、絵本の執筆者として活動することを決意した経緯について「5歳の姪のルーシーの存在が関係している。彼女は物語や筋書きを理解し、チャプターブックを読むのに最適な年齢だと思う」と説明。続けて今後のビジョンを次のように語った。

「その(出版する)絵本をルーシーに読み聞かせてあげるのが待ち遠しい。田舎に暮らす子どもたちへ本の読み聞かせをすることも、これから本腰を入れてやってみたいことの1つでもあるわ」

 そして最後には「大好きな家族や姪、甥と多くの時間を過ごした。この数週間、私自身も笑顔が絶えなかったわ」と述べ、引退後は充実した生活を送っていることをうかがわせた。プロテニスプレーヤーとしてのキャリアを全うしたバーティーの絵本がどのような作品に仕上がるのか、非常に楽しみである。

文●中村光佑

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