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海外テニス

「ラケットを壊すなんて最低の行為だ」元王者ビランデルが子どもたちへの悪影響を危惧しキリオスを痛烈批判<SMASH>

中村光佑

2022.04.17

キリオスのラケット破壊は日常茶飯事。元王者のビランデル氏は、キリオスのプレーを真似る子どもたちが、その振る舞いまで真似しかねないと懸念する。(C)Getty Images

キリオスのラケット破壊は日常茶飯事。元王者のビランデル氏は、キリオスのプレーを真似る子どもたちが、その振る舞いまで真似しかねないと懸念する。(C)Getty Images

 元世界ランク1位で四大大会でも7度の優勝を誇るスウェーデンテニス界のレジェンド、マッツ・ビランデル氏が、度重なる問題行為で物議を醸す男子テニスのニック・キリオス(オーストラリア/77位)を痛烈に批判した。

 キリオスといえばトリッキーなプレーで多くのファンを魅了してきた一方、破天荒な性格を持つことでも知られ、テニス界では「悪童」とも称されているほどだ。今年3月中旬の「BNPパリバ・オープン」では準々決勝でラファエル・ナダル(スペイン/4位)に敗れると、敗戦の怒りからラケットを地面に投げつけ、それがボールボーイに当たりそうになった。またこの試合では審判に暴言を吐く場面も見られ、大会後にATP(男子プロテニス協会)から「スポーツマンらしくない行為に及んだ」として、25,000ドル(約300万円)もの罰金を科された。

 さらにキリオスはその翌週の「マイアミ・オープン」でも主審と口論を繰り広げた際に暴言を吐くなど、計4つの規定違反行為で再び35,000ドル(約430万円)の罰金の制裁を受けてしまった。プロデビューから約8年たった今でもキリオスの気性の荒さは一向に改善されないままだ。

 そのように立て続けに暴挙に出てしまう26歳のキリオスを容赦なく批判したのが、1980年代に名を轟かせた元世界王者のビランデル氏だ。自身がコメンテーターを務める欧米スポーツメディア『EUROSPORT』に出演した同氏は、「キリオスのコート上の振る舞いは非道で恐ろしい。コートでラケットを壊すなんて、僕は最低の行為だと思う。なぜなら、ほとんどの子どもたちはラケットを買う余裕がないからね」と率直な意見を述べた。
 
 またビランデル氏は、やはり元世界王者でオーストラリアテニス界の英雄であるレイトン・ヒューイット氏から「オーストラリアの子どもたちは皆、キリオスと同じようなことをしていると聞いた」とも告白。それは問題行為を真似ているわけではなく、プレー的なことなのだが、それでもビランデル氏はキリオスが後の世代に与えうる影響を懸念しているという。

「子どもたちがニック・キリオスのようにボールを打っているというんだ。ニックはとても才能があるからできることだが、彼はどのショットも足を全く使わず、ただ腕でボールを叩くだけだ。そして、子どもたちはキリオスだけでなくキリオスのような打ち方をする選手を尊敬している。これはひどいことだと思うね」

 ビランデル氏の言葉を踏まえれば、次世代のプレーヤーたちは名の通った自国の選手を見て育つのは間違いない。それはプレーのみならず、振る舞いを真似る危険もはらむということだ。キリオスはもちろんのこと、どの選手も子どもたちのお手本となる行動を心掛けるべきだろう。

文●中村光佑

【PHOTO】プレーの合間に垣間見えるトッププロの素顔
 
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