海外テニス

破産宣告のボリス・ベッカーに“禁固2年6カ月”の実刑判決!最低でも1年間は刑務所へ<SMASH>

中村光佑

2022.04.30

現役引退後も贅沢な暮らしを好んだことで破産宣告を受けていたベッカーに実刑判決が下された。(C)Getty Images

 男子テニス元世界1位で6度のグランドスラム優勝を誇るボリス・ベッカー氏(ドイツ)が、現地4月29日にイギリス・ロンドンで行なわれた自身の破産宣告をめぐる裁判で禁錮2年6カ月の実刑判決を受けた。スペインのテニス専門メディア『Punto de Break』など複数のメディアが報じている。

 2012年からイギリスに居住しているベッカーは、17年に破産宣告を受けた後、現役時代に獲得したトロフィー9個やメダルなどの資産を隠したとして破産法の下で24件の罪に問われていた。

 4月8日に行なわれた陪審裁判では、トロフィーなどを引き渡さなかったとする9件や150万ユーロ(約2億2800万円)以上の財産を隠蔽したとする7件などについては無罪とされたものの、財産開示の不履行と債務隠しの2件など計4件については有罪となり、最大で禁錮7年の実刑判決を受ける可能性が浮上していた。
 

 裁判官は2年6カ月の禁錮刑を言い渡した理由について「これまで反省する姿勢を示さず、自身の犯罪と破産から距離を置こうとしていた。今回の裁判の中でもベッカー氏は人を侮辱し、謙虚さを一切見せなかった」と説明した。

 その一方でベッカー氏が「刑期の後半で適切な行動を示した場合に仮釈放が認められる」との決定も下したが、最低でも1年間は刑務所に服役することになるという。

 過去には現世界王者のノバク・ジョコビッチ(セルビア)のコーチも務めたベッカー氏。現段階では控訴に踏み切るかどうかについては明らかにしていない。

文●中村光佑

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