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海外テニス

ロシア選手排除を不公平というナダルをスタコフスキが痛烈批判「ウクライナの人々が死んでいくのはフェアなのか?」<SMASH>

中村光佑

2022.05.03

母国ウクライナを守るために軍に志願した元世界31位のスタコフスキ。ロシア選手に同情的なナダルに対し、SNSで批判を展開した。(C)Getty Images

母国ウクライナを守るために軍に志願した元世界31位のスタコフスキ。ロシア選手に同情的なナダルに対し、SNSで批判を展開した。(C)Getty Images

 ロシアのウクライナ侵攻を受け、テニスの四大大会の一つである「ウインブルドン」(6月27日~7月10日/イギリス・ロンドン/芝/グランドスラム)は同大会からのロシア・ベラルーシ人選手の除外を発表している。ところがこの決定には男子テニス現世界王者のノバク・ジョコビッチ(セルビア)を含め、不服を唱える選手が多いのが事実だ。

 また現在開催中の「マドリード・オープン」(5月1日~8日/スペイン・マドリード/クレーコート/ATP1000)に出場する元世界王者のラファエル・ナダル(スペイン/現4位)も大会開幕前の記者会見で「侵攻は選手のせいではない。とても気の毒だと思う」として、「今回の決定は非常に不公平だ」とウインブルドン主催側を非難。

 続けて「ロシアの選手たちにとっては非常に複雑な状況であり、多くのことが起こっていると言えるだろう。多くの人々が死んでしまって苦しんでいるウクライナの悪い状況を考えれば、テニス界で起こっていることは些細なものだ」ともコメントしていた。

 このナダルの言葉にすぐさま反応したのが、ウクライナ国籍で現在は国の予備軍に入り、戦場に赴いている元男子31位のセルゲイ・スタコフスキ氏だ。同氏は日本時間5月2日に自身の公式ツイッター(@Stako_tennis)を更新し、ロシア・ベラルーシ人選手を擁護する姿勢を見せたナダルを痛烈に批判した。
 
「ラファエル・ナダル。僕たちは一緒に戦ったし、ツアーで対戦したこともある。ウクライナの選手たちが(侵攻の影響で)故郷に帰れないことが、どうしてフェアなのか教えてほしい。ウクライナの子どもたちがテニスをできないでいることが、どうしてフェアなことなのか? ウクライナの人々が死んでいくのが、なぜフェアと言えるのか?」

 現時点でもロシア・ベラルーシ人選手は国旗や国名の使用を禁じられている代わりに、個人での大会出場は認められている。命を懸けて母国を守るために戦っているスタコフスキ氏にとってはそのような状況が許せないのだろう。スポーツ界全体に大きな影響を与えているロシアのウクライナ侵攻。まだまだ予断を許さない日々が続きそうだ。

文●中村光佑

【PHOTO】ナダルをはじめ全豪オープン2022で活躍した男子選手の厳選ショット
 
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