海外テニス

「僕にとって大きな意味がある」19歳のアルカラスが偉大なる先輩ナダルに初勝利!次戦はジョコビッチに挑む<SMASH>

中村光佑

2022.05.07

マドリード・オープン準々決勝、急成長中のアルカラス(右)はついにナダル(左)からキャリア初白星をもぎ取った。(C)Getty Images

 いよいよ大詰めを迎えている男子テニスツアー「マドリード・オープン」(5月1日~8日/スペイン・マドリード/クレーコート/ATP1000)は現地5月6日にシングルス準々決勝を実施。19歳のカルロス・アルカラス(スペイン/現9位)がラファエル・ナダル(スペイン/4位)との同胞対決を6-2、1-6、6-3のフルセットで制し、準決勝へ駒を進めた。

 5月5日に19歳の誕生日を迎えたばかりのアルカラス。今年3月のマイアミ・オープンで四大大会に次ぐマスターズ1000での初優勝を飾るなど凄まじい成長ぶりを見せており、今季だけでもすでにツアー3勝を挙げている。

 同郷でグランドスラム最多の21勝を誇るナダルには昨年のマドリード2回戦を含めて過去0勝2敗とまだ勝利がなく、直近の今年3月のBNPパリバ・オープン準決勝でもナダルにフルセットで敗れていた。

 ナダルとの3度目の顔合わせとなったこの日の準々決勝は、アルカラスが第1ゲームでいきなりブレークに成功。持ち前の強烈なショットと多彩な攻撃で計3度のブレークを奪い、幸先良く第1セットを先取する。

 ところが第2セットの第3ゲーム、アルカラスはラリーの途中で転倒して右足首をひねり、メディカルタイムアウトを要求する事態に。数分間の治療を経てプレーを続けるも、今度は観客の1人が急病で倒れるというアクシデントが発生し、またも試合は中断。再開後は精彩を欠くプレーが目立ち、セットオールに持ち込まれる。
 
 それでも迎えたファイナルセットでは勢いを取り戻したアルカラスが第4ゲームでブレークを果たすと、その後はしっかりとサービスキープを続けてリードを守り切った。

 ちなみにクレーコートでナダルに勝利した10代選手は今大会のアルカラスが初めてで、19歳1日でのマドリードベスト4も大会史上最年少記録だ。

 ナダルから初勝利を挙げた男子テニス界の超新星は試合後のインタビューで次のように喜びを語った。

「毎日のハードワークが報われたんだ。ラファに勝ったこと、そしてクレーコートで史上最高のプレーヤーに勝ったことは、僕にとって大きな意味がある」

 その一方で「転倒したことはかなり影響したよ」としつつも、「第2セットを失ってからも、僕はベストを尽くして、最後の1球まで戦うことができると思った。その気持ちが試合に勝つカギになったね」とコメント。最後まで諦めなかったことが勝利につながったと振り返った。

 なおアルカラスは日本時間7日23時以降に行なわれる準決勝で現世界王者のノバク・ジョコビッチ(セルビア)と顔を合わせる。両者はツアー初対戦。またしても今大会屈指の超好カードが実現するとあって、テニスファンからも大きな注目を集めそうだ。

文●中村光佑

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