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海外テニス

ロシア排除のウインブルドンに制裁措置か? ATPがランキングポイントを与えない案を検討中<SMASH>

中村光佑

2022.05.12

世界最高峰の舞台であるウインブルドンにATPポイントが付かない可能性が浮上している。(C)Getty Images

世界最高峰の舞台であるウインブルドンにATPポイントが付かない可能性が浮上している。(C)Getty Images

 ロシアのウクライナ侵攻をめぐり、テニスの四大大会の一つである「ウインブルドン」(6月27日~7月10日/イギリス・ロンドン/芝/グランドスラム)は同大会からのロシア・ベラルーシ人選手の除外を発表している。そして新たにこの決定に対し、大会に出場した選手にランキングポイントを付与しない可能性が浮上している。

 テニス系海外メディア『UBITENNIS』によると、ATP(男子プロテニス協会)の代表を務める一部の選手が、「参加できない選手との間に、より公平なシステムを作ることができるだろう」という理由から、ウインブルドンとイギリス国内で開催されるその他の男子ツアー大会でランキングポイントを与えないことに賛同。

 またイギリスの日刊新聞『The Times』によれば、これを受けてロシア・ベラルーシ人選手の除外の他に「変更を加えることはない」と表明していたウインブルドン主催側が、現在男子ツアーのランキングポイントを管轄するATPと緊急会合を行なっているところだという。だが最終的な判断がいつ下されるのか、さらにはWTA(女子テニス協会)がATPに同調するのかどうかについてはまだ明らかになっていない。
 
 多くの競技で「ロシア・ベラルーシ外し」が加速する中、テニスの各統括団体はこれまで国名と国旗を使用しない代わりに個人での大会参加は認めるという、積極的措置を講じない意向を示してきた。間もなく開幕する「全仏オープン」(5月22日~6月5日/フランス・パリ/クレーコート/グランドスラム)でも、出場権を得ている全選手が予定通り参戦できるとしている。つまり現時点ではウインブルドンが2国の選手への強行策を講じている唯一の大会となっている。

 実際のところ、今回のウインブルドンのロシア・ベラルーシ人選手除外の措置には同大会で複数回の優勝経験を持つ男子現世界王者のノバク・ジョコビッチ(セルビア)やラファエル・ナダル(スペイン/4位)をはじめ、多くの選手から反対の声が上がっている。仮にランキングポイントが付与されないとなれば、さらなる反発を招くことも予想される。ウインブルドンの開幕まで残り1か月半、今後の動向に注目が集まりそうだ。

文●中村光佑

【PHOTO】ウインブルドン2021で活躍した男子選手たち
 

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