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海外テニス

昨年の全仏OP優勝者クレイチコワが地元の19歳パリーに初戦敗退を喫す「肉体的に崩壊してしまった」<SMASH>

中村光佑

2022.05.24

右ひじのケガから復帰し3カ月ぶりの大会となったクレイチコワが1回戦敗退。(C)Getty Images

右ひじのケガから復帰し3カ月ぶりの大会となったクレイチコワが1回戦敗退。(C)Getty Images

 テニス四大大会「全仏オープン」は大会2日目の現地5月23日に女子シングルス1回戦を実施。第2シードでディフェンディングチャンピオンのバルボラ・クレイチコワ(チェコ/世界ランク2位)が地元勢で19歳のダイアン・パリー(フランス/同97位)に6-1、2-6、3-6の逆転で敗れるという波乱が起きた。

 昨年の全仏で同大会21年ぶりとなる単複二冠を達成したクレイチコワ。だが今季は2月に出場したカタール・オープン以降右ヒジのケガで戦列を離れていたため、今大会が約3カ月ぶりの実戦となった。

 ケガの不安を抱えながら迎えたパリーとの初戦、序盤からクレイチコワは持ち味の堅実なプレーで相手のミスを誘い、幸先良く第1セットを先取。

 ところが第2セットに入ると徐々にリズムをつかんでいくパリーの緩急をつけた球種や精度の高い片手バックハンドに苦戦を強いられ、第3ゲームから立て続けに6ゲームを奪われてセットオールに持ち込まれる。

 ファイナルセットでも母国ファンの声援を浴びながら伸び伸びとしたプレーを披露するパリーに2度のブレークを喫し、まさかの初戦敗退となった。
 
「私はただ、肉体的に崩壊してしまったのだと思う」

 試合後の記者会見でそう無念さをにじませた26歳は「彼女がただただ素晴らしいプレーをしていた」と勝者のパリーを称賛しつつも、やはりブランクの影響から思うようなプレーができなかったと語る。

「試合と練習は違うものだし、できる限りの準備をしようと思っていた。でも(長らく)試合をしていなかったから大変だった。ラリー戦になると、ショットのタイミングが少し遅れてしまった。そこで私がミスヒットするようになり、試合の流れが変わってしまったと思う。私は彼女に大きなプレッシャーを与えることができなくなっていった」

 一方前回女王から大金星を挙げたパリーはオンコートインタビューで「第1セットの終盤にかけて、自分のショットやインテンシティの面で本来の自分を取り戻していった。そして第2セットでは、なんとか自分の力を発揮することができた。だんだんプレーが良くなってきて、彼女を苦しめているのだなとも感じていた。コート上では素晴らしい感情を味わうことができたから、とてもうれしいわ」と素直に喜びを表現した。

 なおクレイチコワの他にも優勝候補の一角であったオンス・ジャブール(チュニジア/6位)や16年大会覇者のガルビネ・ムグルサ(スペイン/10位)が初戦で敗れるなど、すでに今大会の女子は波乱ずくめとなっている。もはや誰が優勝するのかわからなくなってきた。

文●中村光佑

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