海外テニス

「これが僕の最後の大会」ウインブルドン予選に出場中のコールシュライバーが試合後のコートで引退を表明<SMASH>

中村光佑

2022.06.21

グランドスラム自己最高成績は2012年ウインブルドンのベスト8。そのウインブルドンを最後の大会に選んだコールシュライバー。(C)Getty Images

 男子テニス元世界16位のフィリップ・コールシュライバー(ドイツ/現230位)が間もなく開幕する「ウインブルドン」(6月27日~7月10日/イギリス・ロンドン/芝/グランドスラム)を最後に現役を引退する意向を示した。

 2001年にプロへ転向した38歳のコールシュライバーは片手バックハンドを軸にした多彩なショットやネットプレーを得意とし、ATPツアーでは8度のシングルスタイトルを獲得。グランドスラムでも安定した成績を残しており、09年の全仏オープンでは3回戦で当時世界4位だったノバク・ジョコビッチ(セルビア/現3位)にストレート勝ちを収めて同大会初のベスト16入りを達成。12年のウインブルドンでは自身初となる四大大会ベスト8進出を果たし、大会後に発表されたランキングでは自己最高位となる16位をマークした。

 だがここ最近はツアー大会でもなかなか勝ちに恵まれない日々が続き、世界ランキングも230位に降下。現在はウインブルドンの予選に出場しており、17年連続となる同大会での本戦入りを目指している。なお現地6月20日に行なわれた予選1回戦では世界185位のグレゴワール・バレール(フランス)を6-2、6-2のストレートで破り、2回戦へ駒を進めた。
 
 その試合後のオンコートインタビューでコールシュライバーは「僕はどちらかというと静かな人間だから言いたくはなかったんだけど」と前置きしつつも、「これが僕の最後の大会になりそうだ。今年のウインブルドンを最後にやめるつもりでいる」と発言。「すでに何人かは、これが僕の最後の大会になることを知っているよ」とも明かした。

 その上で自身の輝かしいキャリアを振り返り、「とても長い旅だった。特にこのグランドスラムで大成功を収められたことはとても良い思い出だよ」と感慨深げにコメント。そして「現役引退後のプランは特に決まっていない」と言う38歳のベテランは「今はただただ楽しもうと思っているんだ」と、残り少ない試合の中で一瞬一瞬を噛みしめながらプレーすることを誓った。

 意気込むコールシュライバーにはぜひとも最後にテニスの聖地であるウインブルドン本戦の舞台でプレーする姿を見せてもらいたいところ。次なる予選2回戦では世界160位のミハイル・ククシュキン(カザフスタン)と対戦する。

文●中村光佑

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