国内テニス

新たな国内ツアー「SBCドリームテニス」がスタート。第1戦のチャンピオンは今井慎太郎と荒川晴菜!<SMASH>

渡辺隆康(スマッシュ編集部)

2022.06.26

テニス界注目の新ツアーで優勝を飾った男子の今井慎太郎(右)と女子の荒川晴菜(左)。100万円の賞金を手にした。写真:田中研治

 日本のプロテニス選手に夢を――そんな掛け声のもと誕生した、湘南美容クリニック presents「SBC Dream Tennis Tour 2022」が、いよいよ熱戦の火ぶたを切った。

 計4戦で構成されるシングルスの新国内テニスツアーで、「1stラウンド」から「3rdラウンド」までの優勝賞金は各100万円、「ファイナルラウンド」は優勝1000万円という破格の大会だ。スポンサーの付きにくい国内選手たちがここで賞金を稼ぎ、知名度を上げ、海外に出る足掛かりにしてほしいという思いが主催者側にはある。

 その1stラウンドが6月24日(金)~26日(日)にかけて、東京・有明テニスの森公園で行なわれた。24日はプロアマ戦&レセプションを実施。テニス好きの企業経営者とプロ選手が交流できる場を提供することで、その後のサポートにつながれば……と考えての試みである。

 そして25日に男女各16選手が参加しての予選リーグ、26日に上位8選手ずつによる決勝トーナメントを開催。試合は4ゲームマッチの2セット&マッチタイブレークというショート形式とあって、一瞬も気の抜けない緊迫した攻防が各コートで繰り広げられた。
 
 出場したのは、男子では昨年の全日本選手権準優勝の今井慎太郎、世界ランク最高60位の伊藤竜馬ら上位選手たち。短期決戦で番狂わせも多いなか、初代チャンピオンとなったのはトップランカーの実力を見せた今井だ。決勝では2014年の全日本王者、江原弘泰と対戦。序盤は江原の粘りに苦しんだが、破壊力のあるフォアが入りだすと一気にペースをつかみ、エースを量産してストレート勝ちを収めた。

 今井は100万円の賞金を喜ぶ一方で、「1日に3試合する大会はなかなかないので、それを乗り越えての優勝はうれしい。身体がきつくなってくるなかで戦わないといけないのは、今後のためにいい経験になった」と、厳しいスケジュールにむしろ意味を見出していた。

 また30歳のベテラン江原は「準優勝でまだまだ戦えるなと感じた2日間だった」と、敗れながらも収穫を得ていた。

 女子は昨年の全日本を制した川村茉那、国内ランク15位の荒川晴菜、17年の全日本女王・今西美晴らが参戦。決勝には荒川と西郷里奈が進出した。持ち前のフラット系強打で押す西郷に対し、荒川はコースを散らしたり、スライスやドロップショットで緩急をつけるなど、クレバーなテニスを展開。要所を押さえてフルセットの接戦をモノにした。

「海外を回って世界で活躍したい。資金面で苦しいので100万円はうれしいし、今後の活動に生かしたい」と語った荒川。準優勝の西郷は「コロナ以降、日本では無観客ばかりだったので、たくさんの観客の中でプレーできて楽しかった」と、大会の開催に感謝していた。

 なお、次の2ndラウンドは8月6日、7日に開催。ファイナルラウンドは12月10日、11日に予定されている。

◆男子シングルス決勝結果
今井慎太郎(イカイ) 5-3 4-0 江原弘泰(エキスパートパワーシズオカ)
◆女子シングルス決勝結果
荒川晴菜(アオヤマスポーツ) 1-4 5-4(2) [10-8] 西郷里奈(TEAM自由が丘)

取材・文●渡辺隆康(スマッシュ編集部)

【SBC Dream Tennis Tour 2022】今井慎太郎、荒川晴菜ら男女の上位入賞選手