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国内テニス

叔母から受け継いだテニスクラブが“ジュニア選手の宝箱”に!素人だったオーナーが辿り着いた「型にハメない指導法」<SMASH>

内田暁

2022.06.11

全国レベルのジュニア選手を次々と輩出する「チェリーテニスクラブ」のオーナー千頭政己氏と妻の範子さん。左端は同クラブ出身の井上雅プロ。写真=内田暁

全国レベルのジュニア選手を次々と輩出する「チェリーテニスクラブ」のオーナー千頭政己氏と妻の範子さん。左端は同クラブ出身の井上雅プロ。写真=内田暁

「同門決戦」

 最近の日本のジュニアや学生大会の決勝では、この言葉がしばしば使われる。

 昨年の全国中学生テニス選手権男子決勝の、坂本怜対富田悠太。あるいは、全日本学生室内テニス女子決勝の、阿部宏美対永田杏里。ここに名を挙げた4選手は、いずれも愛知県名古屋市にある、『チェリーテニスクラブ』出身者である。
 
 多くのトップ選手を輩出する名門クラブには、門下生に一定のプレースタイルや型があるのが一般的だ。ただ前述した選手たちには、共通項が見いだしにくい。

 坂本は193センチの長身で、高速サーブを起点とする速攻タイプ。他方で小柄な富田は、多彩なショットでポイントを組み立て、最後はネットで決めるのを得手とする。

 大学テニス女王の阿部は、コートカバー力を生かした守備を基盤とし、その上に知的なゲームを組み立てる。対する永田は、長い手足を利した実直な攻撃テニスが身上だ。

 これらの4選手に加え、ITFジュニアの岐阜大会を制した松田鈴子や、今年16歳にしてプロ転向した伊藤あおいもチェリーテニスクラブ門下生。長身の松田は強打が武器で、「省エネテニス」を掲げる伊藤はカウンターこそが生命線だ。
 
 いずれの選手も見た者の印象に深く残るが、プレースタイルはこれでもかと言うほどバラバラ。敢えて言うなら、良い意味でのアウトサイダー感を漂わせる、似た“におい”があるだろうか。

 それら個性的な選手を次々に育てるコーチとは、どのような人物なのだろう?

「ものすごく熱血な方です。よく怒鳴られています」

 これは、富田の証言である。

「放任主義というか、てきとーです。打ち方とかも全然直されなかったし」

 こちらは、伊藤が語るコーチ像だ。

「関西の面白いおじさんって感じですね。あとは、トレーニングとかもよくしていて、ストイックだと思います」
 
 阿部は言葉に、ある種の親しみと敬意を込める。

 コーチを評する選手たちの証言すらバラバラで、ひとつの像を結びにくい。そのエニグマに引き込まれるように、ジュニアテニス界のびっくり箱にして宝石箱たる、チェリーテニスクラブに足を運んだ。
 
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