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海外テニス

【雑草プロの世界転戦記2】チュニジアの下部ツアーはまるで合宿所。ホテルの敷地内だけで完結する試合&練習&食事の毎日<SMASH>

市川誠一郎

2022.06.29

チュニジアの下部ツアーでは、ホテルにこもりきりの生活が続く。食事も単調になりがちだが、日本人選手は調味料を持ち込んで工夫する。写真提供:市川誠一郎(左から2人目)

チュニジアの下部ツアーでは、ホテルにこもりきりの生活が続く。食事も単調になりがちだが、日本人選手は調味料を持ち込んで工夫する。写真提供:市川誠一郎(左から2人目)

 25歳でテニスを始め、32歳でプロになった市川誠一郎選手は、夢を追って海外のITF大会に挑み続ける。雑草プレーヤーが知られざる下部ツアーの実情を綴る転戦記。

  *  *  *

 前回紹介したように、世界には毎週のようにITFツアーが開催される場所が数か所あります。そのなかでも、チュニジアは1年を通じて52週全てで大会が行なわれています。本当に1週も欠かさず開催される“テニスのパラダイス”のような場所が存在するのです。

 以前は日本人選手が来ることはほとんどありませんでしたが、新型コロナウイルス感染拡大後は、常に出場するようになりました。

 チュニジアのモナスティルはおおむねいつも天気がいいですが、大会会場はたいていテニスコートを多数保有したリゾートホテルで海辺にあるため、共通して風が強いのが特徴です。

 サーフェスはハードコート。バウンドが低く遅めで、外国人の強烈なサービスやスピンに押されづらいので、ミスが少なくディフェンシブな選手、精神的にタフな選手が勝ちやすい傾向があります。

 砂入り人工芝で育ってきた日本人選手にもかなり向いているサーフェスだと言えるでしょう。実際チュニジアでは多くの日本人選手が優勝しています。
 
 選手の多くはオフィシャルホテル内に滞在します。特にチュニジアの大会はオフィシャルホテルの宿泊率が高く、出場期間中、選手はずっとホテルの敷地内で生活します。

 食事は3食付き。敷地の外には歩いていける距離にレストランもないため、選手がホテルの外に出る機会はほとんどありません。チュニジアのホテルはそれほど大きくないため、部屋の前にテニスコートが隣接し、いわば“合宿所”のような生活です。

 ヨーロッパから来る選手は2大会程度で帰国することを繰り返したりもしますが、日本からは遠いため、たいてい3大会以上、長ければ何か月も滞在する選手もいます。そうなると、いよいよテニスコートと部屋、レストトランの往復です。歩いて1分の敷地内のプールとビーチが憩いの場所。まさにテニス漬けの生活になるのです。

 オフィシャルホテルの食事は3食全てビュッフェです。トルコの大会は五つ星ホテルで開催されていますが、チュニジアはごく普通のクオリティといったところでしょうか。

 しかし毎日ほぼメニューが変わらないため、ほとんどの選手は2週間もせずに飽きてきてしまいます。そこで、日本人選手はパスタソース、焼肉のタレ、醤油、ドレッシングなどを持ってきて、味を変えていますね。

 こんなに自国の調味料を持ってくるのは日本人だけ! 日本人は日本食がないと生きていけない数少ない国民であると同時に、よく工夫する国民だということを実感します。

文●市川誠一郎

〈PROFILE〉
1984年生まれ。開成高、東大を卒業後ゼロからテニスを始め、32歳でプロ活動スタート。36歳からヨーロッパに移り、各地を放浪しながらITFツアーに挑んでいる。Amebaトップブロガー「夢中に生きる」配信中。ケイズハウス/HCA法律事務所所属。

【PHOTO】雑草プロの世界転戦記・チュニジアのITFツアーはこんなところ!
 

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