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海外テニス

「結局は前を向くしかない」ウインブルドン準決勝を棄権して母国に帰り着いたナダルが現在の心境を明かす<SMASH>

中村光佑

2022.07.09

激闘を制した代償は大きかった。ケガそのものよりも、ウインブルドン準決勝という特別な舞台で戦えないことが痛いとナダルは言う。(C)Getty Images

激闘を制した代償は大きかった。ケガそのものよりも、ウインブルドン準決勝という特別な舞台で戦えないことが痛いとナダルは言う。(C)Getty Images

 現地7月8日に予定されていたテニス四大大会「ウインブルドン」の男子シングルス準決勝を、腹部の負傷により棄権した元世界王者のラファエル・ナダル(スペイン/現4位)。すでにスペインに帰国した36歳のレジェンドが母国のスポーツ日刊紙『SPORT』のインタビューに応じ、現在の心境を明かした。

 今シーズンはすでに全豪と全仏を制し、年間グランドスラム(1年で全ての四大大会を制覇すること)の偉業達成も可能性があったナダル。今大会も初戦から順調に勝ち進んでいたが、6日に行なわれたテイラー・フリッツ(アメリカ/14位)との準々決勝で腹部を負傷。

 ドクターからもらった抗炎症剤を服用したうえで4時間21分にも及ぶ激戦を戦い抜き、ベスト4進出を果たしたが、試合後の検査では腹部に7ミリの断裂があったことが判明した。

 当初はニック・キリオス(オーストラリア/40位)との準決勝に出場する意欲を見せていたナダルだったが、7日に急遽開かれた記者会見で「今の状態では準決勝、決勝の2試合で勝つことはできないと思う」として棄権を表明。また腹部のケガの状態については「通常のスピードのサービスが打てないだけでなく、サービスを打つまでの普通の動作もできない。希望としては3週間から4週間でツアーに復帰したい」と、非常に深刻であることを明かしていた。
 
 ウインブルドンの運営スタッフ一人ひとりに丁寧に別れを告げ、帰国の途に就いたナダル。その後無事にバルセロナの空港に降り立った彼はメディア対応を行ない、非常に残念な形で大会を去ってしまったことについて悔しさをにじませた。

「何が痛いかというと、ここまでずっといいプレーをしていたのに、ウインブルドンの準決勝のような特別なステージで戦えなかったということだ」

 それでもインタビューの最後には「物事を受け入れ、ポジティブに考えるしかない。結局のところは前を向くしかないんだ」とナダルらしい謙虚なコメント。再び元気な姿でコートに戻ってくることを誓った。

 今季のナダルは開幕から20連勝をマークするなど相変わらず驚異的な強さを見せてきた一方で、肋骨の疲労骨折や慢性的な左足の痛みといった度重なるケガにも悩まされてきた。やはりどんなレジェンド級の選手でも年齢の壁が大きく立ちはだかるのは間違いないだろう。とにかく1日も早く復帰できるよう、腹部の治療に専念してもらいたいものだ。

文●中村光佑

【PHOTO】ナダルをはじめウインブルドン2022を盛り上げた男子選手たち
 

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