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“喜びの延期”を親が子どもに教えよう。スポーツ心理学の権威博士が独自解説!「成功する人生が待っている」【Part4】<SMASH>

赤松恵珠子(スマッシュ編集部)

2022.07.21

子どものメンタルが強くなるかは親次第。※写真は内容と関係ありません。写真:スマッシュ編集部

 最近、スポーツメンタルについての話題が多く持ち上がっている。テニス雑誌スマッシュでは2012年に、スポーツ心理学の権威、ジム・レーヤー博士に話を聞いている。その内容を紹介しよう。4回目は子どものメンタルを強くするために、親がするべきことについて。

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「メンタルタフネスは技術です。それはフォアハンドやバックハンドと同様の技術なのです。筋肉とも同じです。セルフコントロールや規律、尊敬することなど、全ては筋肉のように発達させていきます。それは低年齢の子どもの頃から発達させることができます」

 メンタルは発達させることで強くなっていくと言うレーヤー氏。では、どういう子どもだとメンタルが強く、そういう子どもにするには親はどうするべきなのだろうか。

「『喜びの延期』ができるかどうかがカギになります。簡単に言うと、子どもが今なら1つのマシュマロをもらえます。15分後なら2つのマシュマロがもらえます。もし、15分待って2つのマシュマロをもらうことができれば、その子どもには成功する人生が待っているでしょう。信じられないぐらい成功すると思いますよ。彼らは人生でより高い目標を達成できるでしょうし、色々な面でメンタルも強くなるでしょう。

 この『喜びの延期』ができるようになるには両親の助けが必要です。欲しいものをすぐに与えず、ポジティブでいられるように手助けし、感謝や尊敬する心を育て、困難を乗り越えることを教えます。それらができるとメンタルタフネスを備えた子どもになるでしょう」
 
『喜びの延期』を教えることの他に、親が教えるべきことはどんなことだろうか。

「するべきことをさせること。例えば宿題をする前に他のことをすることを許すのではなく宿題をすることに集中させる。まず親が管理した後に、自分自身で管理できるようにさせる、他の人に敬意を持って接するなど。これらは全て自己規制ができるようになる要素であり、すべてメンタルタフネスです。

 メンタルを強くさせるにあたり、最も強い役割を両親が担っています。どのようにメンタルを強くするかを教え、それをスポーツに持ち込むのです。強いメンタルはより良い人になるための助けとなり、逆境にもくじけずに対処できるようになるでしょう」

 子どもが強いメンタルを持ち、成功する人生を歩んでほしいと願うなら、まずは親が子どもに『喜びの延期』を教え、「すべきことをする」自己規制ができるように育てよう。

解説者●ジム・レーヤー(Jim Loehr)
M・ナブラチロワなどトップアスリートのメンタル指導を行ない、1987年に「メンタル・タフネス」を発刊。現在は自身が共同創設者であるJohnson & Johnson Human Performance Institute, Inc.で一流企業のエグゼクティブに向けてメンタル指導を行なっている。 

取材●赤松恵珠子(スマッシュ編集部)、コーディネーター●石井秀樹
※スマッシュ2012年8月号から抜粋・再編集

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