女子テニス元世界39位のフィオナ・フェロ(フランス/現259位/25歳)が過去に性的暴行とレイプ(強かん)を受けたとして、元コーチのピエール・ブーテール氏を告訴したことが明らかになった。
テニス系海外メディア『UBITENNIS』によると、フランス検察当局は同国の大手通信社『AFP』の取材に対し、8月18日にブーテール氏がまだ未成年だったフェロに対する性的暴行とレイプの2つの罪で起訴されたことを認めたという。
これについてフェロの弁護人を務めるイザベル・コロンバニ氏は「彼女(フェロ)は2012年~2015年の間に、指導を受けていたブーテール氏から性的暴行とレイプを受けた」と説明。一連の出来事はフランス南東部のリゾート地であるサン・ラファエルのテニスクラブで発生したものだとされている。
またスペインの大手ニュースメディア『Marca』は、ブーテール氏がフェロ以外の女子選手にも同様の行為に及んだかどうかについて、フランスの警察が捜査を開始したと報じている。
フェロの告発を受けてブーテール氏は自身の弁護人であるバージニー・ペン氏を通じて「関係があったことは認めるが、合意の上での行為だった。強制はしていない」などと疑惑を否定している。だがこれについてフェロは9月2日に更新した自身の公式SNSで声明を発表し、「合意はしていません」と反論。
続けて「子どもへの性犯罪について規定されているフランス刑法の第222条24項に基づく道徳的制約に従って、性的暴行とレイプが行なわれたことを確認しています。私は自国の司法制度に全幅の信頼を置いており、刑事捜査の手続きについてその他の申告をしたいとは思っていません」とも記した。
女子テニス界ではブーテール氏を告発したフェロを支持する声が上がっている。現地9月3日に行なわれたテニス四大大会「全米オープン」の女子シングルス3回戦で勝利した現世界女王のイガ・シフィオンテク(ポーランド)は試合後の会見で「フィオナに起こったことは残念」と前置きした上で、「仮にそういうことが起こったとしても、私たちはある程度安全で、WTA(女子テニス協会)がそのことを適切に処理してくれると信頼できる状況になってほしい」と、統括団体が性暴力の撲滅に働きかけることを求めた。
同じく全米3回戦を突破した元世界ランク1位のビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ/現26位)は「残念なことにツアーでは選手を大切にしないような出来事が至る所で起こっている。選手会でも弱い立場の若い女子選手が様々な状況で利用されるのを目の当たりにしていて、最も大きく取り上げられているテーマのようなもの」と明かしつつ、「彼女に拍手を送りたい」と勇気を振り絞ったフェロを称賛。最後には「この状況から彼女がさらに強くなり、今回のことで彼女のテニス人生が終わらないことを祈りたい」と話した。
なおフランステニス連盟はこの一件について「フェロを全面的にサポートする」と表明しており、「今回のケースでは、民事訴訟を起こすことを検討している」ともコメントしている。
文●中村光佑
【PHOTO】なかなか見られないトッププロの練習やテニス教室の様子
テニス系海外メディア『UBITENNIS』によると、フランス検察当局は同国の大手通信社『AFP』の取材に対し、8月18日にブーテール氏がまだ未成年だったフェロに対する性的暴行とレイプの2つの罪で起訴されたことを認めたという。
これについてフェロの弁護人を務めるイザベル・コロンバニ氏は「彼女(フェロ)は2012年~2015年の間に、指導を受けていたブーテール氏から性的暴行とレイプを受けた」と説明。一連の出来事はフランス南東部のリゾート地であるサン・ラファエルのテニスクラブで発生したものだとされている。
またスペインの大手ニュースメディア『Marca』は、ブーテール氏がフェロ以外の女子選手にも同様の行為に及んだかどうかについて、フランスの警察が捜査を開始したと報じている。
フェロの告発を受けてブーテール氏は自身の弁護人であるバージニー・ペン氏を通じて「関係があったことは認めるが、合意の上での行為だった。強制はしていない」などと疑惑を否定している。だがこれについてフェロは9月2日に更新した自身の公式SNSで声明を発表し、「合意はしていません」と反論。
続けて「子どもへの性犯罪について規定されているフランス刑法の第222条24項に基づく道徳的制約に従って、性的暴行とレイプが行なわれたことを確認しています。私は自国の司法制度に全幅の信頼を置いており、刑事捜査の手続きについてその他の申告をしたいとは思っていません」とも記した。
女子テニス界ではブーテール氏を告発したフェロを支持する声が上がっている。現地9月3日に行なわれたテニス四大大会「全米オープン」の女子シングルス3回戦で勝利した現世界女王のイガ・シフィオンテク(ポーランド)は試合後の会見で「フィオナに起こったことは残念」と前置きした上で、「仮にそういうことが起こったとしても、私たちはある程度安全で、WTA(女子テニス協会)がそのことを適切に処理してくれると信頼できる状況になってほしい」と、統括団体が性暴力の撲滅に働きかけることを求めた。
同じく全米3回戦を突破した元世界ランク1位のビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ/現26位)は「残念なことにツアーでは選手を大切にしないような出来事が至る所で起こっている。選手会でも弱い立場の若い女子選手が様々な状況で利用されるのを目の当たりにしていて、最も大きく取り上げられているテーマのようなもの」と明かしつつ、「彼女に拍手を送りたい」と勇気を振り絞ったフェロを称賛。最後には「この状況から彼女がさらに強くなり、今回のことで彼女のテニス人生が終わらないことを祈りたい」と話した。
なおフランステニス連盟はこの一件について「フェロを全面的にサポートする」と表明しており、「今回のケースでは、民事訴訟を起こすことを検討している」ともコメントしている。
文●中村光佑
【PHOTO】なかなか見られないトッププロの練習やテニス教室の様子