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キリオスによる“試合直後のラケット破壊”に重鎮マッケンローが苦言!「気持ちはわかるがやり過ぎだ」<SMASH>

スマッシュ編集部

2022.09.10

準々決勝で敗れた悔しさから試合直後にラケットを2本も破壊したキリオスの暴挙が問題になっている。(C)Getty Images

 現在開催中のテニス四大大会「全米オープン」(8月29日~9月11日/アメリカ・ニューヨーク)の男子シングルス準々決勝で、3時間39分に及ぶフルセットの末に敗れたニック・キリオス(オーストラリア)が、試合直後にラケットを2本にわたり破壊した行為について、テニス界の重鎮ジョン・マッケンローが欧州メディア『Eurosport』を通じて苦言を呈した。

 一つ前の4回戦で前年の全米王者ダニール・メドベージェフ(ロシア/世界ランキング1位))に勝利して「このまま頂点を目指したい」と意欲を見せていたキリオス。だが迎えたカレン・ハチャノフ(ロシア)との準々決勝では競り合う場面でポイントが奪えず。フラストレーションの溜まる展開の末に惜敗した。

 試合を終えたキリオスはハチャノフと握手を交わすと、その足でベンチに戻り手にしていたラケットをコート上に4度にわたり叩きつけて破壊。それでも気が治まらず、さらにラケットバッグからもう1本ラケットを取り出して思い切りコートに叩きつけ破壊した。

 この一連の行為を目にしたテニス界のレジェンド、マッケンロー。自身もかつて周囲から「悪童」と呼ばれていたが、さすがにキリオスの行為はやり過ぎだと感じたようだ。
 
「あれは試合の後(握手をした後)だったから、少し不謹慎だった。彼がイライラしているのはわかる。だからと言って勝利したハチャノフがコートの中央に歩きながら『私の味方をしてくれた8人に心から感謝したい』と口にしていたその脇で、あんな行為をするのは行き過ぎだった」

 懸命に戦っているからこそ負けた時の悔しさも大きくなる。数々の激闘を経験してきたマッケンローにはキリオスの気持ちも理解できるが、今回ばかりは目に余る行為と映ったようだ。

 大会側もこのキリオスの暴挙を非難。ラケット破壊行為に対して1万4000ドル(約196万円)の罰金を科した。

 英紙『The Guardian』によれば、キリオスはこの他にも今大会3回戦で客席に向かい唾を吐いたことで7500ドル(約105万円)、4回戦でメドベージェフに勝利した際に卑猥な言葉を叫んだとして4000ドル(約56万円)、さらにダブルスの試合でラケットを破壊したことでも4000ドルの罰金を科されているという。

 こうした罰金はキリオスが今回の全米で獲得した賞金47万3200ドル(約6620万円)のうちから差し引かれることになる。果たしてキリオス本人は反省しているのだろうか。

構成●スマッシュ編集部

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【動画】試合終了直後にラケットを2本にわたり破壊するキリオス