海外テニス

「まだ60%の力しか発揮していない」元世界1位のフェレーロ氏が愛弟子のアルカラスを評価<SMASH>

中村光佑

2022.09.13

全米オープン優勝後にフェレーロ氏(中央左)を含めたチームと写真撮影したアルカラス(右)。(C)Getty Images

 先週のテニス四大大会「全米オープン」の男子シングルスでグランドスラム初優勝を飾り、史上最年少での世界ランキング1位が確定したカルロス・アルカラス(スペイン)のコーチを務めるファン・カルロス・フェレーロ氏が決勝戦後の記者会見に登場。かけがえのない愛弟子を称賛するとともに、今後に向けての期待の言葉を寄せた。

 4回戦から準決勝まで3試合連続のフルセットマッチを戦い抜いた19歳のアルカラスは体力面での不安があった中、決勝戦でもキャスパー・ルード(ノルウェー/大会時7位)を相手に素晴らしいプレーを披露。3時間20分の熱戦の末に6-4、2-6、7-6(1)、6-3で勝利し、見事にタイトルをつかみ取った。

 フェレーロ氏は初の四大大会決勝の大舞台でタフな戦いを制し、目標に掲げていたグランドスラム優勝を成し遂げたアルカラスをこう称えた。

「彼は感情や緊張をうまくコントロールしていたね。(タイブレークにもつれこんだ)第3セットをものにしたことが勝負を決するカギになったと思う」
 
 また19歳にして早くも世界1位の座に就くことになったアルカラスを「今後何回グランドスラムを勝てるかはわからないが、史上最高の選手になる可能性を秘めていると思う」と絶賛。その一方でフェレーロ氏は「彼にはまだまだ伸びしろがある」として以下のようにコメントした。

「彼はまだ60%の力しか発揮していない。まだ多くのことを改善できると思う。彼も私も努力を続けなければならないと思っている。世界1位になっても、それで終わりじゃない。勝ち続けるためには日々努力を続け、トーナメントでは高いレベルでプレーし続けなければならない。彼はそれをわかっているし、私もわかっている」

 実際のところアルカラス本人も決勝戦後の記者会見で「もっと上を目指したいんだ。何週間も、可能であれば何年もトップに居続けたい。またハードワークをしていくつもりだ」と語り、さらなる高みを目指す心構えを見せている。その飽くなき闘争心で男子テニス界を牽引する存在となってもらいたいものだ。

文●中村光佑

【PHOTO】史上最年少の1位となった19歳アルカラスの全米オープン2022優勝までの激闘の記録