海外テニス

ダニエル太郎が作り上げた最高のチームと共に楽天オープンに挑む「前とは違うテニスができ始めている」<SMASH>

赤松恵珠子(スマッシュ編集部)

2022.09.29

新チームの信頼関係は強く「20年後もすごく良い関係を保てていると思います」と言うダニエル。(C)写真:真野博正

 今年の全豪オープンテニスで3回戦に進出したダニエル太郎。以前の守備重視のプレースタイルから、攻撃的なプレーへと進化した姿を披露した。好調の要因やこれから始まる楽天オープンへの意気込みを聞いた。

―― 今季とても好調なのは、新チームが機能しているからですか?
「自分がゼロから作り上げてきた最高のチームなので、それは大きいと思います。オフシーズンも色々と工夫しましたし、スペインにいた頃と比較すると、サービス、リターン、ボレーの練習をしっかり行なっています。自分で考えて工夫していることを支えてくれるチームなので、前とは違うテニスができ始めているのだと思います」

――メインコーチがメンタルコーチ兼任という点が新しいですが、彼女に求めていることは?
「彼女は自分に正直に向き合う方向に導いてくれます。自分と向き合うのが本当につらい時もあるんです。でも、そういうやりたくないことを、うまくやらせてくれる人。キツイけれど、すぐに『ありがとう』と思えることが多いので、その姿勢を続けてほしいです。テニス面でもトップレベルのコーチと遜色ないので、一緒にいられて本当にラッキーです」
 
――アドバイスで特に印象に残っているものは?
「『FriendlyEyes』という彼女のウェブサイトに人生をどう生きていくかを深く考えるメンタルトレーニングプログラムがあります。長い目で見た目的を考えて、そのためにテニスではどういう行動をしていくといいのかと考えます。だから、最も参考になるのは、考えを大きくしていくところかな。今のチームは僕が今テニスを辞めても、20年後もすごく良い関係を保てていると思います。ただ単にテニスを強くさせてくれるだけのチームではありません。『良い人間関係を作っていくのが人生ですごく大事』。そういうことも教わっています。

――データ分析のアナリストもチームに加入しましたか?
「加入ではなく会社のサービスを使っていて、自分や他の選手のデータを提供してくれます。データは大事ですが、相手の弱さに集中しすぎて自分を見失うこともあるので、気を付ける必要もあります。漫画の『テニスの王子様』の分析をする選手みたいに、試合中に数字を考えている暇はないので(笑)、何を意識してコートに入り、何をフィーリングだけに任せるのかなど、チームで話し合っておくべきだと思います」
 
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