海外テニス

前週優勝の西岡良仁は、楽天OP1回戦で無念の逆転負け「体力が持たなかった」<SMASH>

前道右京(スマッシュ編集部)

2022.10.06

良いテニスはしていたが、体力的に厳しかった西岡。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

 東京・有明テニスの森公園で開催されている国際大会「楽天ジャパンオープン」(10月3日~9日/ハードコート/ATP500)。10月5日に行なわれた本戦1回戦では、日本の西岡良仁(世界ランキング41位)がミオミル・ケツマノビッチ(セルビア/33位)と対戦し、6-2、6-7(1)、2ー6で初戦敗退を喫した。

 現在、日本勢トップの西岡は、前週の「韓国オープンテニス」(ハードコート/ATP250)でノーシードから勝ち上がり、ツアー2勝目をマーク。日本男子としては、これが通算12勝の錦織圭(750位タイ)に次ぐ優勝回数となり、好調を維持して今大会に乗り込んできていた。

 一方、対戦相手は今大会2度目の出場となるケツマノビッチ。2年前にツアー1勝を飾っており、スピンの効いたフォアハンドを武器とするベースラインプレーヤーだ。過去の対戦成績は1勝1敗。ツアー初顔合わせとなった2019年の試合では、ケツマノビッチが第1セットを先取したところで西岡が棄権し、20年の試合では、西岡がストレート勝利を収めている。

 第1セットで先にケツマノビッチにブレークを許した西岡だが、すかさずブレークバックに成功し、フォアハンドのアングル、ダウンザライン、そしてドロップショットと多彩なショットで相手を翻弄していく。これで流れをつかむと、第5ゲーム、第7ゲームもブレークを重ね、6ゲーム連続でこのセットを先取した。
 
 続く第2セットは、第5ゲームまでお互いサービスゲームのキープが続く展開に。第6ゲームで先にブレークされるも、西岡らしいポイントをうまく組み立てたショット、バックハンドのクロスが随所に決まり、タイブレークに突入する。しかしここでは、浮いた球があれば、前に入って強打してくるケツマノビッチに突き放され、1-7で落としてしまう。

 勝負の第3セットは、第1ゲームからケツマノビッチに積極的なリターンを仕掛けられ、いきなりサービスダウン。立て続けに第3ゲームをブレークされ、その後も試合の主導権を取り返せなかった。無念の逆転負けを喫したが、試合後の会見では次のような感想を口にしている。

「今日の試合は結構良いテニスはしていたと思う。後半は体力的に厳しくなったので、2セットで(試合を)終われなかったのが今日の敗因だったと思う。

 第2セットは捨てようと思っていたけど、(セットを)取れそうなチャンスが来たので、そこに体力を使ったぶん、第3セットは体力が持たなかった。そんなに悪いテニスだったとは思わないし、彼も安定して良いプレーをしていたので、こういう状況の中で勝ちまで近づけたのは、テニス的にかなり成長があった」

 なお、見事な逆転勝利を収めたケツマノビッチは、オンコートインタビューで「タフな試合を勝ててうれしい。明日も応援していただければと思う」とコメント。6日の2回戦では、初戦でラドゥ・アルボット(モルドバ/86位)を6-7(3)、6-1、6-4で下したダニエル・エバンス(イギリス/25位)と対戦する。

取材・文●前道右京(スマッシュ編集部)

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