女子元世界ランク2位のポーランドテニス界のレジェンド、アグニエスカ・ラドワンスカ氏が母国のスポーツメディア『TVP SPORT』のインタビューに登場。そのなかで現世界1位のイガ・シフィオンテクを手放しに称賛。
2012年のウインブルドンでポーランド人選手として初めてとなるグランドスラム決勝進出を果たしたラドワンスカ氏も、21歳にして数々の輝かしい功績を残しているシフィオンテクを称えずにはいられないようだ。
特に今季のシフィオンテクは序盤から驚異的な強さを発揮してきた。2月のカタール・オープンから6大会連続優勝を成し遂げ、2000年以降では最多となる公式戦37連勝をマーク。7月のウインブルドン3回戦でアリゼ・コルネ(フランス/大会時37位)に敗れて連勝記録は途絶えたものの、6月の全仏と9月の全米では頂点に立ち、四大大会ではすでに3度の優勝を経験している。
また準優勝に終わった先週の「アジェル・オープン」では準決勝でエカテリーナ・アレクサンドロワ(ロシア/20位)に勝利したことにより、17年のキャロライン・ウォズニアッキ(デンマーク/元1位)以来となる1シーズンでのマッチ60勝を達成した。
飛ぶ鳥を落とす勢いで勝利を積み重ねるシフィオンテクに言及したラドワンスカ氏は「私がプロテニスプレーヤーとしての旅を終えた後、(同国から)こんなにも早く世界のトップに立つプレーヤーが現れるとは思っていなかった」と同郷の世界女王の凄まじい活躍に驚きを隠せない様子だ。そのうえでどの試合でもレベルの高いパフォーマンスを見せるシフィオンテクをこう評した。
「イガは素晴らしい。彼女は長い間、ナンバーワンであり続けている。彼女は成熟した選手で、非常に高いレベルでプレーできる。テニスにおける細かいポイントをしっかりと理解している。ここ2年間で得た経験によって、彼女はまったく別のプレーヤーになった。20年全仏で四大大会初タイトルを獲得した当時とは違ってきている」
その一方でラドワンスカ氏はシフィオンテクに対抗できる女子選手がなかなか現れないことに物足りなさも感じていると明かす。
「今のところ、彼女にふさわしいライバルはいないし、対等に戦える選手がいない。長い目で見てもそのレベルを維持できる人がいない。もちろんイガも他の選手と同じように不幸な出来事はあるが、多くの女子選手はせいぜい1セット取るのが精一杯だと思う。
私は彼女の人生が難しくなってほしいと言っているのではなく、より良きライバルが出てくることを願っているの。試合でイガからリードを奪うことがあるのは偶然の出来事で、多くの女子選手がイガのようなレベルまで成長しなかった。イガがプレーをした大会の中でフェデラー対ナダルのように、まだ歴史に残る試合がないことがちょっと残念かな」
そうした女子テニス界の現状を踏まえ、同氏は「イガは自分自身に負ける可能性がある」と指摘。「(これから)彼女は常に勝たなければいけないプレッシャーに直面することになるわけだし、周りからも勝たなければならないと言われるからね」と締めくくった。
文●中村光佑
【PHOTO】全米オープン2022で熱戦を繰り広げる女子選手たちの厳選写真!
2012年のウインブルドンでポーランド人選手として初めてとなるグランドスラム決勝進出を果たしたラドワンスカ氏も、21歳にして数々の輝かしい功績を残しているシフィオンテクを称えずにはいられないようだ。
特に今季のシフィオンテクは序盤から驚異的な強さを発揮してきた。2月のカタール・オープンから6大会連続優勝を成し遂げ、2000年以降では最多となる公式戦37連勝をマーク。7月のウインブルドン3回戦でアリゼ・コルネ(フランス/大会時37位)に敗れて連勝記録は途絶えたものの、6月の全仏と9月の全米では頂点に立ち、四大大会ではすでに3度の優勝を経験している。
また準優勝に終わった先週の「アジェル・オープン」では準決勝でエカテリーナ・アレクサンドロワ(ロシア/20位)に勝利したことにより、17年のキャロライン・ウォズニアッキ(デンマーク/元1位)以来となる1シーズンでのマッチ60勝を達成した。
飛ぶ鳥を落とす勢いで勝利を積み重ねるシフィオンテクに言及したラドワンスカ氏は「私がプロテニスプレーヤーとしての旅を終えた後、(同国から)こんなにも早く世界のトップに立つプレーヤーが現れるとは思っていなかった」と同郷の世界女王の凄まじい活躍に驚きを隠せない様子だ。そのうえでどの試合でもレベルの高いパフォーマンスを見せるシフィオンテクをこう評した。
「イガは素晴らしい。彼女は長い間、ナンバーワンであり続けている。彼女は成熟した選手で、非常に高いレベルでプレーできる。テニスにおける細かいポイントをしっかりと理解している。ここ2年間で得た経験によって、彼女はまったく別のプレーヤーになった。20年全仏で四大大会初タイトルを獲得した当時とは違ってきている」
その一方でラドワンスカ氏はシフィオンテクに対抗できる女子選手がなかなか現れないことに物足りなさも感じていると明かす。
「今のところ、彼女にふさわしいライバルはいないし、対等に戦える選手がいない。長い目で見てもそのレベルを維持できる人がいない。もちろんイガも他の選手と同じように不幸な出来事はあるが、多くの女子選手はせいぜい1セット取るのが精一杯だと思う。
私は彼女の人生が難しくなってほしいと言っているのではなく、より良きライバルが出てくることを願っているの。試合でイガからリードを奪うことがあるのは偶然の出来事で、多くの女子選手がイガのようなレベルまで成長しなかった。イガがプレーをした大会の中でフェデラー対ナダルのように、まだ歴史に残る試合がないことがちょっと残念かな」
そうした女子テニス界の現状を踏まえ、同氏は「イガは自分自身に負ける可能性がある」と指摘。「(これから)彼女は常に勝たなければいけないプレッシャーに直面することになるわけだし、周りからも勝たなければならないと言われるからね」と締めくくった。
文●中村光佑
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