男子テニスツアー「バーゼル・オープン」(10月24日~30日/スイス・バーゼル/ハードコート/ATP500)は現地10月30日にシングルス決勝を実施。第3シードで世界ランク9位のフェリックス・オジェ-アリアシム(カナダ)が同25位のホルガー・ルネ(デンマーク)を6-3、7-5のストレートで破り、同大会初優勝を飾った。
ツアー決勝の舞台で8連敗という不名誉な記録を作りながらも、今年2月の「ABN アムロ ワールドテニス」(オランダ・ロッテルダム/ハードコート/ATP500)で悲願のシングルス初タイトルを獲得したオジェ-アリアシム。
長いトンネルを抜けた22歳の俊英は破竹の勢いで勝ちを積み重ねており、前々週の「フィレンツェ・オープン」(イタリア・フィレンツェ/ハードコート/ATP250)と先週の「ヨーロピアン・オープン」(ベルギー・アントワープ/ハードコート/ATP250)で立て続けに優勝。
今回のバーゼル大会でも疲れを感じさせない素晴らしいプレーで勝ち上がり、準決勝では最年少世界王者のカルロス・アルカラス(スペイン/19歳)をストレートで撃破。またしても決勝へと駒を進めていた。
その勢いはこの日の優勝決定戦でも衰えることはなかった。第4ゲームでブレークを奪ってそのまま第1セットを先取したオジェ-アリアシムは、迎えた第2セットの終盤第11ゲームで値千金のブレークに成功。サービング・フォー・ザ・マッチとなった直後の第12ゲームをしっかりとキープし、1時間40分で勝利を収めた。
大会を通して1度もブレークを許すことなく3週連続のツアー優勝を成し遂げたオジェ-アリアシムは決勝戦後に応じたATP(男子プロテニス協会)のインタビューで「良いプレーをして勝ちあがってきたとしても、なかなか自分に期待するのは難しい」と謙虚に話しつつ、喜びを露わにした。
「今週も信じられないような1週間だった。再び決勝に進めたし、大会中はサービスの安定感が途切れることなく、素晴らしいプレーができた。今は良い感情をすべて感じ取っている。本当に信じられない。勝ったときはあまり感情を表に出さないこともあるけど、優勝したあの瞬間は、すべての感情が沸き上がってきて、大きな安堵感も覚えた」
バーゼルといえば、先月のレーバー・カップで現役を引退したテニス界の英雄、ロジャー・フェデラー(スイス)が10度の優勝を経験した大会だ。自身と同じ誕生日(8月8日)でもある憧れのレジェンドと共に、歴代優勝者リストに名を連ねられることを誇らしく思っていると語った。
「彼(フェデラー)は本当に素晴らしい人だ。実は今朝、彼のことを思い出して、彼が10回優勝しているこの場所で、僕が優勝できたらどんなにすごいことだろうと考えていた。まだまだ先の話だが、この名誉ある大会の偉大なチャンピオンたちと一緒に、自分の名前が並ぶのは素晴らしいことだ。ここでトロフィーを掲げることは、とても特別なことだと思う」
決勝8連敗が嘘であったかのような勝負強さを発揮しているオジェ-アリアシム。休む間もなく今週も「ロレックス・パリ・マスターズ」(10月31日~11月6日/フランス・パリ/インドアハードコート/ATP1000)に出場するが、この勢いでマスターズ1000大会の初制覇も大いに期待したいところだ。
文●中村光佑
【PHOTO】全仏オープン2022でオジェ-アリアシムはじめ、活躍した男子選手たちの厳選PHOTOを一挙公開!
ツアー決勝の舞台で8連敗という不名誉な記録を作りながらも、今年2月の「ABN アムロ ワールドテニス」(オランダ・ロッテルダム/ハードコート/ATP500)で悲願のシングルス初タイトルを獲得したオジェ-アリアシム。
長いトンネルを抜けた22歳の俊英は破竹の勢いで勝ちを積み重ねており、前々週の「フィレンツェ・オープン」(イタリア・フィレンツェ/ハードコート/ATP250)と先週の「ヨーロピアン・オープン」(ベルギー・アントワープ/ハードコート/ATP250)で立て続けに優勝。
今回のバーゼル大会でも疲れを感じさせない素晴らしいプレーで勝ち上がり、準決勝では最年少世界王者のカルロス・アルカラス(スペイン/19歳)をストレートで撃破。またしても決勝へと駒を進めていた。
その勢いはこの日の優勝決定戦でも衰えることはなかった。第4ゲームでブレークを奪ってそのまま第1セットを先取したオジェ-アリアシムは、迎えた第2セットの終盤第11ゲームで値千金のブレークに成功。サービング・フォー・ザ・マッチとなった直後の第12ゲームをしっかりとキープし、1時間40分で勝利を収めた。
大会を通して1度もブレークを許すことなく3週連続のツアー優勝を成し遂げたオジェ-アリアシムは決勝戦後に応じたATP(男子プロテニス協会)のインタビューで「良いプレーをして勝ちあがってきたとしても、なかなか自分に期待するのは難しい」と謙虚に話しつつ、喜びを露わにした。
「今週も信じられないような1週間だった。再び決勝に進めたし、大会中はサービスの安定感が途切れることなく、素晴らしいプレーができた。今は良い感情をすべて感じ取っている。本当に信じられない。勝ったときはあまり感情を表に出さないこともあるけど、優勝したあの瞬間は、すべての感情が沸き上がってきて、大きな安堵感も覚えた」
バーゼルといえば、先月のレーバー・カップで現役を引退したテニス界の英雄、ロジャー・フェデラー(スイス)が10度の優勝を経験した大会だ。自身と同じ誕生日(8月8日)でもある憧れのレジェンドと共に、歴代優勝者リストに名を連ねられることを誇らしく思っていると語った。
「彼(フェデラー)は本当に素晴らしい人だ。実は今朝、彼のことを思い出して、彼が10回優勝しているこの場所で、僕が優勝できたらどんなにすごいことだろうと考えていた。まだまだ先の話だが、この名誉ある大会の偉大なチャンピオンたちと一緒に、自分の名前が並ぶのは素晴らしいことだ。ここでトロフィーを掲げることは、とても特別なことだと思う」
決勝8連敗が嘘であったかのような勝負強さを発揮しているオジェ-アリアシム。休む間もなく今週も「ロレックス・パリ・マスターズ」(10月31日~11月6日/フランス・パリ/インドアハードコート/ATP1000)に出場するが、この勢いでマスターズ1000大会の初制覇も大いに期待したいところだ。
文●中村光佑
【PHOTO】全仏オープン2022でオジェ-アリアシムはじめ、活躍した男子選手たちの厳選PHOTOを一挙公開!