現在開催中の男子テニスツアー「ロレックス・パリ・マスターズ」(10月31日~11月6日/フランス・パリ/インドアハードコート/ATP1000)は現地11月3日にシングルス3回戦が行なわれ、今季限りでの引退を表明した元世界ランク6位のジル・シモン(フランス/現188位)が登場。第8シードのフェリックス・オジェ-アリアシム(カナダ/同8位)に1-6、3-6で敗れ、現役生活にピリオドを打った。
今年5月に自身の公式SNSを通じて「今年いっぱいで引退することになりました」と正式に発表した37歳のシモン。
キャリア最後の公式戦として臨んだ今回のパリ・マスターズでは、1回戦で約3時間にも及ぶ激戦の末に元世界1位のアンディ・マリー(イギリス/現48位)を大逆転で下し、2回戦では第9シードのテイラー・フリッツ(アメリカ/11位)をフルセットで撃破。母国ファンの大声援を浴びながら、自身の代名詞でもある"粘りのプレー"で勝ち上がってきた。
そして迎えた3回戦では現在ツアー3週連続優勝中と絶好調のオジェ-アリアシムと対戦。しつこくボールを拾ってパッシングショットを決めるなど随所でシモンらしいプレーを見せるも、強烈なサービスと速いテンポで攻めてくる22歳を相手に最後までゲームの流れをつかめずストレートで敗退。約20年にもわたる輝かしいキャリアに幕を閉じた。
試合後に応じたATP(男子プロテニス協会)のインタビューでシモンは、プロテニスプレーヤーとしての人生を振り返り「テニス選手になれたことをとても幸運なことだと思っている。ずっとなりたかったものだった」と感慨深げにコメント。
その一方で常に結果を残し続けなければならないプレッシャーと戦ってきた37歳の名手は「テニスが非常に難しいスポーツだと思う」理由についてこう話した。
「肉体的、技術的、そして精神的にも強くなければならない。これら3つの要素のいずれかが欠けた瞬間に失敗することになるし、同時にプレッシャーにもなる。相手と直接対決をして、ランキングは毎週変わる。この点は僕が好きな要素だ。でも上達したいなら、そして最高のテニスプレーヤーになりたいなら、自分自身に正直でなければならない」
そんな中でも「ずっと変わることはなかった」というテニスへの人並ならぬ愛情をこう表現した。
「僕はずっとテニスが大好きで、このスポーツは私にとってとても興味深いものだ。とても面白いゲームだ。フィジカル、テクニック、メンタル、全てにおいて素晴らしいもので、最高のスポーツだよ!僕は(今も)テニスをとても楽しんでいる。それこそが僕がこのスポーツに情熱を注いでいて、長くプレーしていた理由でもあるんだ」
とにかく粘るラリーで、日本のファンからは「沼」の愛称で親しまれてきたシモン。そんな彼のプレーがもう見られないのは非常に寂しい限りだが、第2の人生も幸多きものとなるよう祈りたい。
文●中村光佑
【PHOTO】なかなか見られないシモンたちトッププロの練習やテニス教室の様子
今年5月に自身の公式SNSを通じて「今年いっぱいで引退することになりました」と正式に発表した37歳のシモン。
キャリア最後の公式戦として臨んだ今回のパリ・マスターズでは、1回戦で約3時間にも及ぶ激戦の末に元世界1位のアンディ・マリー(イギリス/現48位)を大逆転で下し、2回戦では第9シードのテイラー・フリッツ(アメリカ/11位)をフルセットで撃破。母国ファンの大声援を浴びながら、自身の代名詞でもある"粘りのプレー"で勝ち上がってきた。
そして迎えた3回戦では現在ツアー3週連続優勝中と絶好調のオジェ-アリアシムと対戦。しつこくボールを拾ってパッシングショットを決めるなど随所でシモンらしいプレーを見せるも、強烈なサービスと速いテンポで攻めてくる22歳を相手に最後までゲームの流れをつかめずストレートで敗退。約20年にもわたる輝かしいキャリアに幕を閉じた。
試合後に応じたATP(男子プロテニス協会)のインタビューでシモンは、プロテニスプレーヤーとしての人生を振り返り「テニス選手になれたことをとても幸運なことだと思っている。ずっとなりたかったものだった」と感慨深げにコメント。
その一方で常に結果を残し続けなければならないプレッシャーと戦ってきた37歳の名手は「テニスが非常に難しいスポーツだと思う」理由についてこう話した。
「肉体的、技術的、そして精神的にも強くなければならない。これら3つの要素のいずれかが欠けた瞬間に失敗することになるし、同時にプレッシャーにもなる。相手と直接対決をして、ランキングは毎週変わる。この点は僕が好きな要素だ。でも上達したいなら、そして最高のテニスプレーヤーになりたいなら、自分自身に正直でなければならない」
そんな中でも「ずっと変わることはなかった」というテニスへの人並ならぬ愛情をこう表現した。
「僕はずっとテニスが大好きで、このスポーツは私にとってとても興味深いものだ。とても面白いゲームだ。フィジカル、テクニック、メンタル、全てにおいて素晴らしいもので、最高のスポーツだよ!僕は(今も)テニスをとても楽しんでいる。それこそが僕がこのスポーツに情熱を注いでいて、長くプレーしていた理由でもあるんだ」
とにかく粘るラリーで、日本のファンからは「沼」の愛称で親しまれてきたシモン。そんな彼のプレーがもう見られないのは非常に寂しい限りだが、第2の人生も幸多きものとなるよう祈りたい。
文●中村光佑
【PHOTO】なかなか見られないシモンたちトッププロの練習やテニス教室の様子