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女王のまま引退したバーティーの現女王シフィオンテク評は?「他の選手より数段上のレベル」と絶賛!<SMASH>

中村光佑

2022.11.10

1位のままコートを去ったバーティー(左)は、その座を受け継いだシフィオンテク(右)の躍進に驚きを示す。ちなみに2人の対戦成績はバーティーの2勝0敗だ。(C)Getty Images

 世界女王に君臨しながらも今年3月末に突如現役引退を表明した26歳のアシュリー・バーティー(オーストラリア)。彼女に代わって世界1位の座に立ち、その地位を守り続けているのが、今季だけで2度グランドスラム(全仏と全米)を制し、2000年以降で女子テニス最多となる公式戦37連勝を成し遂げた21歳のイガ・シフィオンテク(ポーランド)だ。

 引退から半年以上が経った今も「ほとんどテニスを見ていない」と明かすバーティー。スペインのテニス専門メディア『Punto de Break』によると、海外メディアのインタビューに応じる際もテニスに関する質問を受ける機会が徐々に減ってきているようだ。

 だが、自身が現役に別れを告げた直後に更新された世界ランキングで自動的に1位となって以降、そのプレッシャーをものともせず驚異的なパフォーマンスを見せているシフィオンテクには尊敬の念を示している。先日応じた英大手ニュースメディア『The Guardian』のインタビューで、バーティーは21歳にして数々の成功を収めているシフィオンテクを「ツアーに新しい風を吹き込む存在」と述べ、こう評した。
 
「今シーズンは彼女が完全に支配した。彼女は他の選手より数段上のレベルにある。1年を通して彼女があれだけ開花した姿を見られたのは、信じられないほどだった」

 今年8月には長年のパートナーとして知られていたプロゴルファーのギャリー・キシック氏との結婚を発表し、現在も非常に充実した生活を送っているというバーティーは「新しい仕事として姪っ子の子守りをするようになった。もうアッシュおばちゃんと呼ばれているわ」ともコメント。家族で過ごす時間を大いに楽しんでいるようだ。

 一方で先日自身の伝記『My Dream Time』が発売されたことが報じられたバーティーは「今までとは別の方法で挑戦することに本当に慣れてきている」という。そのなかで「他にどうすれば競争できるか、どうすれば成長できるかを考えている」とさらなる野心をのぞかせる元女王は、今回のインタビューで、詳細は明かさなかったが財団の設立を検討しているとも語った。

 そして最後には母国のメルボルンで開催される来年1月の全豪オープンに「何らかの形」で姿を見せることを約束したバーティー。「今やっていることを全て終わらせてからになるけど、メルボルンに戻れるのはクールなことね」と話し、インタビューを締めくくった。

文●中村光佑

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