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海外テニス

ポーランドテニス協会会長の性的暴行疑惑をシフィオンテクらが糾弾「この問題はあまりにも深刻」と調査要求<SMASH>

中村光佑

2022.11.24

母国ポーランドのテニス協会会長に浮上した性的暴行疑惑。シフィオンテク(左)、フルカチュ(右)が非難の声を上げた。(C)Getty Images

母国ポーランドのテニス協会会長に浮上した性的暴行疑惑。シフィオンテク(左)、フルカチュ(右)が非難の声を上げた。(C)Getty Images

 現地11月22日、女子テニス世界女王のイガ・シフィオンテク(ポーランド)が自身の公式SNSを更新。元テニスコーチで2017年からポーランドテニス協会の会長を務めるミロスワフ・スクリプチンスキー氏が未成年者への性的暴行疑惑で起訴されたことを受け、関係当局に対して迅速に調査を行なうよう要請した。

 ポーランドニュースメディア『Onet』によると、現在同国の政治家として活動し、少女期にテニスに打ち込んでいたカタジナ・コトゥーラ氏が先月末、かつて指導を受けていたというスクリプチンスキー氏を「13歳から3年間ほど、少なくとも12回にわたって彼から性的暴行を受けた。彼は他にも受け持っていた生徒を精神的に追い詰めるかのような虐待行為に及んでいた」と告発したという。

 さらには10月31日に同メディアを通じてリリースされたある報告書では、コトゥーラ氏だけではなく「その他の女子選手や前妻、娘や義母にも暴行を加えた疑いがある」と記されていた。

 また海外スポーツメディア『Sportskeeda』によれば、コトゥーラ氏と同様にスクリプチンスキー氏の指導を受けていたという匿名希望の女性も「彼は14歳の時に初めて私に触りました。胸やお尻、プライベートな場所をつかまれました」と激白。「その時の彼の笑いを今でも覚えています。彼はそれを楽しいと思っていました。彼はそういった行為を何回やったのかわかりません。少なくとも数回はされたと確信しています」と当時の状況を詳しく語っていた。
 
 一連の報道を受けてこのほどシフィオンテクは公式SNSで声明文を発表。そのなかで一刻も早い真相究明を強く求めた。

「統治機関は何が起こったかを調査すべきであり、メディアが人々から聞いた話を伝えた後で、この一件に対処してくれることを望んでいます。この問題はあまりにも深刻で、人々の命や健康に関わることなので、統治機関やジャーナリストの仕事を遂行するのは私の役割ではありません。このような問題が慎重かつ公正に解決されることで、ポーランドや世界のスポーツがより良い方向に変わっていくことを願っています」

 またこの投稿の直後には、男子テニス世界10位でシフィオンテクと同郷のフベルト・フルカチュも自身のSNSでスクリプチンスキー氏の性的暴行疑惑に言及。「コーチや保護者は誰に対してもその権力や立場を利用してはいけません」と怒りをあらわにしつつ、関係機関がしかるべき対応を行なうべきだと主張した。

「スポーツの世界でも、それ以外の世界でも、あらゆる攻撃的な行為は非難され、罰せられる必要があります。ポーランドテニス協会会長に関する報道について、当局が適切に対処してくれることを望みます。私も暴行を受けた全ての被害者と共に立ち向かうつもりです」

 一方、テニス系海外メディア『UBITENNIS』の報道によると、当のスクリプチンスキー氏は「コトゥーラ氏の告発には真実ではないことが含まれている」として疑惑を否定。同メディアは「スクリプチンスキー氏は現在も会長職を辞任していない」とも伝えている。

文●中村光佑

【PHOTO】シフィオンテクが初制覇した全米オープン2022。熱戦を繰り広げる女子選手たち!
 
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