海外テニス

錦織圭が来年2月のデルレイビーチOPに出場。ツアー初Vを飾った「特別な場所」で復活を期す<SMASH>

中村光佑

2022.12.01

1年以上ツアーを離れている錦織。「自分のキャリアの始まり」だというデルレイビーチOPにエントリーした。(C)Getty Images

 男子テニス元世界ランク4位の錦織圭が、来年2月13日から19日まで開催されるツアー大会「デルレイビーチ・オープン」(アメリカ・デルレイビーチ/ハードコート/ATP250)にエントリーしたことが明らかになった。同大会の公式サイトがその第一報を伝えている。

 デルレイビーチは世界に誇る日本のエースの輝かしいキャリアを語る上で、切っても切り離せない大会だ。

 当時18歳で世界244位だった2008年大会、まだチャレンジャー(下部大会)でも優勝経験のなかった錦織は予選から怒涛の快進撃を見せ、本戦では3人のトップ100プレーヤーを破って決勝へ進出。迎えた決勝では地元勢で世界12位のジェームズ・ブレーク(アメリカ)を逆転で下し、キャリア初のATPツアータイトルを獲得した。

 だが、最後にデルレイビーチでプレーしたのは2014年大会までさかのぼり、今回が実に9年ぶり6度目の参戦となる。一方で錦織は現在、左股関節のケガで1年以上ツアーを離れており、結局今シーズンは1度も大会に出場できなかった。

 また10月下旬には練習中に右足首の負傷を報告。先日までエントリーしていたエキジビションマッチ「Waikiki 株塾 Cup」(12月16日~18日/アメリカ・ハワイ/ハードコート)も欠場を正式に発表し、復帰を目指すなかでもどかしい日々が続いている。
 
 それでも変わらず完全復活を目標に掲げる錦織はデルレイビーチの出場が決定したことを受け、大会公式サイトを通じて喜びのコメントを発表。ツアー初優勝を飾った当時を回顧しつつ、今もなお多くの日本人ファンの記憶に残るあの素晴らしい瞬間を再現したいと意気込んだ。

「デルレイビーチ・オープンは僕にとって特別な場所。なぜなら、2008年に予選を勝ち抜いて優勝したことが自分のキャリアの始まりであり、自分がそのレベルに達していると確信したからです」

「その15年後にまたプレーできるのは光栄なことです。デルレイビーチのトーナメントが 25周年を迎えるなか、長年応援してくれているファンにあの1週間の記憶がよみがえることを願っています」

 度重なるケガで今夏には「引退が頭をよぎった」と告白していた錦織。だが今はもう「30代後半まではできるかなと思っている」と前を向いている。人一倍思い入れが強いデルレイビーチの舞台で元気にコートを駆け回る姿を見せてもらいたい。

文●中村光佑

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