海外テニス

2021年の全米オープン女王ラドゥカヌ、英王室から「大英帝国勲章」の栄誉を受ける<SMASH>

スマッシュ編集部

2022.12.01

テニスというスポーツの貢献度が評価され「大英帝国勲章」を受賞したラドゥカヌ。(C)Getty Images

 イギリスの人気女子テニス選手のエマ・ラドゥカヌ(世界ランキング75位/20歳)が、現地11月29日に英王室より「大英帝国勲章」を授与された。

 2021年に開催された全米オープンに予選から出場し、1セットも失わずに優勝するという史上初の快挙を成し遂げたラドゥカヌ。四大大会でイギリス人女子選手が優勝したのは1977年にウインブルドンでバージニア・ウェードが達成して以来の偉業である。

 そんな彼女の活躍は女子テニス界の新時代到来を象徴するものであり、若者たちのランドマーク的な存在としても注目を集めた。今回の受勲理由は、そうしたテニスというスポーツへの貢献度が認められたためである。

 ウインザー城で行なわれた授与式でチャールズ国王から「大英帝国勲章」を授与されたラドゥカヌは、すぐさま自身のインスタグラムにその画像とともに「国王陛下から大英帝国勲章を授与されて大変光栄に思っています。とても素晴らしい1日でした」と投稿。すると男子テニスの若手注目株ホルガー・ルネ(同11位/デンマーク/19歳)もイイネを贈るなど反応している。
 
 とはいえ、喜んでばかりもいられない。なぜなら21年の全米優勝以降は低迷が続き、一時10位まで上昇していたランキングも現在は75位まで下がってしまった。2022年は19大会に出場したものの最高成績は9月に参戦した「韓国オープン」のベスト4止まり。本人は「焦りはない」としているが周囲にはスランプに見えているようだ。

 英公共放送『BBC』では、ラドゥカヌとともに授与式に出席していた労働党のグリフィス議員の「彼女はその成功に対処し、失望にも対処するという、信じられないほど困難な状況に直面している」とするコメントを紹介。

 また女子テニス界のレジェンドであるビリー・ジーン・キングさんは、「無用な目的を持つ人々から離れる必要がある」とラドゥカヌの取り巻きに懸念を示すとともに、「心理療法士に協力してもらうといいでしょう」とアドバイスを送る。

 成功の証でもある「大英帝国勲章」を手にしたラドゥカヌは、短いオフシーズンを経て12月半ばにはアブダビで行なわれるエキジビションに参加。そこから舞台を南半球に移して1月開幕の新シーズンに向かう。

構成●スマッシュ編集部

【PHOTO】全米OP初優勝!快挙を成し遂げた当時18歳エマ・ラドゥカヌ特集!
NEXT
PAGE
【写真】ラドゥカヌが自身のインスタグラムで公開した授与式の模様