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国内テニス

【伊達公子】1年を自分で評価して数値化。見直し作業をして有意義なオフを過ごそう<SMASH>

伊達公子

2022.12.02

「100点は絶対にない」と厳しく評価し改善を続けてきた伊達公子さん。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

「100点は絶対にない」と厳しく評価し改善を続けてきた伊達公子さん。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

 テニスの世界は今、オフシーズンに入っています。シーズンが終わった時に私が必ずしていたことは、見直し作業です。この1年で実際に自分が試合の中で、やろうとしていたことがどれぐらいできていたかを数値化していました。練習ではなく、試合でできていたかどうかです。

 ざっくりとではありますが、100点が完璧だとしたら、やろうとしていることが70、80点できていればいいけれど、60点だとちょっと足りない、50、40点だともっと足りないという具合です。

 現役時代、自分で100点だと思ったことはありませんでしたね(笑)。100点は絶対にないと思います。負ける試合も多いですし、調子が悪い日も、1年を通してどのような怪我があったかもあります。ランキングも避けられないものがあります。振り返ってみて良かったとしても80点でした。悪い時は45点ぐらい。私の中では55点がラインで、ここより下は最悪です。

 55点ラインを切っている場合は、取り組み方を間違えているわけなので変えなくてはいけません。そこで、できなかった理由は何かを考えます。トレーニング不足なのか、オンコートの問題なのかなど。例えば、1試合ではできたけれど、1週間の大会を通してどこまでできるのか、他の試合ではできなかった場合、なぜその試合ではできたのかを突き詰めていきます。
 
 1年を振り返って数値化した後に、自分の中で原因を洗い出していくわけです。そして、その原因を克服できるように、オフシーズンの内容に反映させます。

 私の場合は、フィジカルがパフォーマンスに直結することが多かったので、トレーナーにリクエストをしていました。切り返しのスピードを上げたい、スタミナを強化したい、長いラリーになった時にパワーを出したいなどですね。

 見直し作業は、有意義なオフシーズンを過ごすために必要です。なんとなくいつもと同じオフシーズンを過ごすのではなく、強化すべき点を考えて取り組んでいきましょう。テニスに限ったことではなく、年末には1年の見直し作業をしてみてはいかがでしょうか。

文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン

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