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再浮上を期すベレッティーニが新シーズンに向けて抱負。ジョコビッチ&ナダルの「牙城を崩せるはず」<SMASH>

中村光佑

2022.12.28

四大大会初優勝を目指すベレッティーニにとって壁となるのが、まだ勝ったことがないジョコビッチとナダルだ。過去の対戦経験が重要になると語る。(C)Getty Images

 間もなく開幕するテニスの男女混合国別対抗戦「ユナイテッドカップ」(12月29日~1月8日/オーストラリア・ブリスベン、パース、シドニー/インドアハードコート、ハードコート)に出場する男子世界16位のマテオ・ベレッティーニ(イタリア)が、豪大手通信社『AAP』のインタビューに登場。自身が愛してやまないオーストラリアへの想いを語った。

 来季から新設されるユナイテッドカップは参加18か国による男女混合の団体戦となっており、3か国ずつの総当たり方式で男女のシングルス2試合と、ミックスダブルス1試合が行なわれる。各グループの1位、6か国がシティ・ファイナルに進出でき、そのうちの4か国が準決勝へと進む。ベレッティーニ率いるイタリアはグループEに属しており、上位ラウンド進出を懸けてブラジル、ノルウェーとの予選リーグを戦う予定だ。

 エースプレーヤーとしてチームを引っ張るベレッティーニは、昨年1月のATPカップ(男子国別対抗戦/豪州の複数都市で開催)で母国を準優勝に導いたことに加え、今年1月の全豪オープンではイタリア人男子選手として初のベスト4進出を果たすという輝かしい実績を有していることから、オーストラリアには特別な思いがあるのだという。

「オーストラリアでプレーするのは大好きだ。コンディションもいいし、観客もエネルギーに溢れている。ここにはいつもいい思い出がある。イタリアはATPカップでも決勝に進出するなど、いい成績を残しているから、ここに来られてうれしいよ」

 一方で最近は度重なるケガで思うようなプレーができない日々が続いていることを踏まえ、今回のユナイテッドカップで再浮上のきっかけをつかみたいとコメント。「願わくはこの大会で自信をつけて、(1月16日に開幕する)全豪オープンでもロングランできるようにしたい」と意気込みを口にした。
 
 その全豪でグランドスラム初優勝を狙うベレッティーニだが、立ちはだかるのが共に四大大会で20度以上の優勝を誇るノバク・ジョコビッチ(セルビア/5位/21回)とラファエル・ナダル(スペイン/2位/22回)の2人だ。ちなみにベレッティーニは公式戦でジョコビッチ、ナダルのいずれにもまだ勝利したことがない。

 それでも2人のレジェンドとの過去の対戦で学んだことを生かし、「彼らの牙城を崩すことはできるはず」と信じている26歳はこう続けた。

「経験も大事だと思う。彼らと対戦すればするほど、彼らを打ち負かす方法を学ぶことができる。(21年の)ウインブルドン決勝でノバクと対戦した時、彼は30回目のグランドスラム決勝だったと思うけど、僕は初めての決勝だった。もちろん、彼も偉大なプレーヤーだから、簡単なことではなかった」

「彼らとの対戦を経験していることは、とても光栄に思っている。次は勝てるといいんだけどね。僕自身はより自信が持てるようになったし、四大大会でもコンスタントに勝てるようになったよ」

 今後もさらなる活躍に期待がかかるベレッティーニ。まずはユナイテッドカップでどんな新シーズンのスタートを切るのか注目したい。

文●中村光佑

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