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ワクチン未接種のジョコビッチが「アメリカに入国許可を提出した」。実弟が「信じられない話だ」と告白<SMASH>

中村光佑

2023.02.12

ジョコビッチ(左)のアメリカ入国申請について弟のジョルジェ(右)が発言した。(C)Getty Images

 先月行なわれた年内最初のテニス四大大会「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/ハードコート)で、大会10度目の優勝とグランドスラム最多タイとなる22度目の優勝を成し遂げた世界王者のノバク・ジョコビッチ(セルビア)。

 既報の通り、現時点で彼は3月8日から開催される「BNPパリバ・オープン」(アメリカ・インディアンウェルズ/ハードコート/ATP1000)と、同月22日に開幕する「マイアミ・オープン」(アメリカ・マイアミ/ハードコート/ATP1000)のマスターズ2大会で、2年連続の欠場を余儀なくされる可能性が高まっている。これは先月初旬に米運輸保安庁が公式声明文で同国における外国人渡航者への新型コロナウイルス・ワクチン接種義務付けが「今年の4月10日まで延長される」と発表したためだ。

 周知の通りグルテンアレルギーを持つことで知られる35歳のジョコビッチは、「身体を気遣いたい」という理由でワクチンを接種していない。すなわち3月になっても変更が加えられなかった場合、同選手は昨年と同様にアメリカに入国できないというわけだ。
 
 そうした厳しい状況を打開すべく、ついに本人が動き出した。テニス系海外メディア『UBITENNIS』によると、先日同選手の弟であるジェルジェ・ジョコビッチ氏がセルビアの通信社『Tanjug』の取材に応じた際、「兄はアメリカへの入国を認めてもらうための申請書を提出した」と発言したという。

 その後ジョルジェ氏は「アメリカがいまだにワクチン未接種の外国人を入国させていないことから、ノバクは特別な許可を得る必要がある。世界中で、ワクチン未接種のアスリートによる抗議の声が多く上がっている現状を考えると、信じられない話だ」と付け加え、依然として過剰な感染拡大防止プロトコルを設けている米当局を糾弾した。

 なお現時点では、申請の結果が出る具体的な時期については明らかになっていないが、今回の取材でジョルジェ氏は「(入国許可の)決定が下されるまではあと数日だ」と明かしており、「我々は前向きな結果が得られることを願っている」とのコメントも残している。果たしてジョコビッチの運命はいかに…。

文●中村光佑

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