現地２月20日、男子テニスを管轄するATP（男子プロテニス協会）は最新の世界ランキングを発表。先月のテニス四大大会「全豪オープン」で大会10度目の優勝と史上最多タイのグランドスラム22勝目を飾って世界王者に返り咲いたノバク・ジョコビッチ（セルビア）が１位をキープし、女子元世界１位のシュテフィ・グラフ（ドイツ／53位）に並ぶ世界１位通算在位期間最長タイの377週をマークした。ジョコビッチは来週にもグラフを抜く１位在位378週の大記録を樹立する見込みだ。

　またしてもテニス界に新たな歴史の１ページを刻むであろう35歳のレジェンドに、若手のトッププレーヤーたちからも称賛の声が上がっている。25歳のアレクサンダー・ズべレフ（ドイツ／元世界ランク２位／現16位）は、今週出場する男子テニスツアー「カタール・オープン」（２月20日～26日／カタール・ドーハ／ハードコート／ATP250）の開幕前に出席した会見で同胞のグラフが持つ偉大なる記録が抜かれてしまうことへのジョークを交えながら、ジョコビッチへ向けて次のように賛辞を贈った。

「過去10年ほど、彼はテニス界を支配してきた。彼が常にトップでいられるのには理由があると思う。今回の世界１位在位期間の最長記録は、男女を問わず彼が最も多くの週を世界ナンバーワンとして過ごしてきたことを意味する。彼は、シュテフィ（グラフ）を抜くわけだ。僕はドイツ人として、彼女がその記録を持っていることが大好きなのだけど（笑）、ノバクの功績は大きいよ」
  「彼がいかに偉大であるかを示していると思う。彼はさらにいくつかの記録を更新していくだろう。今残っている（歴代の選手たちの）記録は、もしかしたらノバクが全て破るかもしれないね」

　また同じくドーハ大会に参戦するズベレフと同年齢のアンドレイ・ルブレフ（ロシア／５位）は、会見で再び新たな金字塔を打ち立てることが濃厚となったジョコビッチにインスピレーションを受けていると明かし、こう続けた。

「基本的には全てのことが成し遂げられる。35歳になっても世界一のプレーヤーになれるし、記録も更新できる。正しいことをすれば、最高のパフォーマンスを発揮することができる。年齢は関係ない。それが僕にとって重要なことだ」

　なお全豪優勝以降、ツアー公式戦でプレーしていないジョコビッチは２月27日に開幕する「ドバイ選手権」（アラブ首長国連邦・ドバイ／ハードコート／ATP500）でツアーに復帰する予定だ。今後のさらなる活躍に期待したい。

文●中村光佑

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