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ジョコビッチの世界1位在位期間が男女を通じて歴代最長に! グラフを抜く通算378週「僕は目標に突き動かされている」<SMASH>

中村光佑

2023.02.28

若手プレーヤーが台頭している男子テニス界で、驚異的な強さを示し続けているジョコビッチ。(C)Getty Images

 長年テニス界を牽引してきた35歳のレジェンドが、またしても新たな歴史の1ページを刻み込んだ。

 現地2月27日、男子テニスを管轄するATP(男子プロテニス協会)は最新の世界ランキングを発表。先月のテニス四大大会「全豪オープン」で大会10度目の優勝と史上最多タイのグランドスラム22勝目を飾って世界王者に返り咲いたノバク・ジョコビッチ(セルビア)が1位をキープし、女子元世界1位のシュテフィ・グラフ(ドイツ/53歳)を抜く世界1位通算在位期間歴代単独トップとなる378週の大記録を樹立した。

 2011年7月4日にキャリアで初めて世界ランキングで首位に立ったジョコビッチは、それ以来7度にわたって年間1位を達成。数々の若手プレーヤーが台頭している中で、依然としてとてつもない強さを見せ続けている彼が、この10年間で1年を通して世界1位にならなかったシーズンは、右ヒジのケガで調子を大きく落とした17年の1度だけなのだ。

 フランスの大手通信社『AFP』は、再び金字塔を打ち立てたジョコビッチが現地2月26日に発表した喜びのコメントを以下のように紹介している。
 
「もちろん、これだけ多くの週で世界1位になり、男女を通じてこのスポーツの歴史的な偉人の一人であるシュテフィ・グラフを超えたことは、ある意味現実だとは思えない。伝説的な選手たちの仲間入りを果たしたことだけでも嬉しいこと。とても誇りに思うよ」

 それでも35歳のレジェンドは数々の輝かしい功績を残してきたにもかかわらず、まだまだ現状には満足していないという。「僕はまだ、より多くの実績を求めている。僕は目標に突き動かされている。僕は他の誰よりも、このスポーツに献身的に取り組んでいる」と今後のさらなる活躍を誓った。

 なお、全豪優勝以来トーナメントではプレーしていなかったジョコビッチは、現在開催中の男子テニスツアー「ドバイ選手権」(2月27日~3月4日/アラブ首長国連邦・ドバイ/ハード/ATP500)で約1か月ぶりにツアーに復帰する。

 ちなみに先月のオーストラリアシーズンで痛めた左太ももの状態については「100パーセントに近づいている。コート上でのフィーリングはまだまだだけどね。それでも大事なのは痛みがないこと。今はコート上での動きに支障はない」と話しており、久々の実戦に向けた準備は整っているようだ。

文●中村光佑

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